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FinePix S602/S7000の後継である為か幾らか前モデルのような四角をまとったデザインとなっているが、よりデジ一眼に近づいたデザインになった。

レンズは6.2-66.7mmF2.8-4.9(35mm換算28-300mm相当)。
テレ側の開放値F4.9は少々暗く感じる。
フィルター径58mmながらレンズ口径は小さいのでもう少しコストを掛けて明るくしてくれると嬉しかった。
多分ワイド端でのケラレ防止にフィルター径を大きくしているのだと思う。

マニュアルズームを採用したことによりフォーカスリングと並んで大型のズームリングが備わる。
このことによってマクロボタンとINFOボタンはフォーカス切り替えと同じ位置に縦並びに変更された。
焦点距離を35mm換算でプリントされているのはフィルム時代からのユーザーには好感の持てる部分で把握しやすい。
スーパーマクロの最短距離1cmは、S602,S7000から引き継がれている。

可動式のディスプレイを採用。
可動式としては初期の頃のものでヒンジ部分が大きく、そのため収納時はディスプレイがボディと同一面に綺麗に収まるタイプではない。
ディスプレイ表面がアイカップと同じぐらい迫り出すのでファインダーを覗いた際に邪魔に思う時がある。

グリップ部は前面にラバーが貼られている。
やはりこの機種も例外ではなく凹部分の位置が中途半端で小指の掛かりが悪くなり握るという行為があまくなる。
凹部分を無くして指をコンパクトに纏めて握れるようにした方が当方は握りやすいと感じる。

上から見るとグリップ部周辺はニコンの一眼に似ている。
ネオ一眼の最上位機にはホットシューが備わる。
トリガー電圧は高電圧にも耐えられる仕様で耐電圧は400V/msまで。
これは前モデルのS602/S7000と同じでフィルム時代の古いタイプのストロボが使えるので選択幅が広がってよい。

レンズ脇にシンクロターミナルを備える。
この手のカメラでシンクロを装備したのは大変珍しく使用するストロボの選択幅が増す。
またホットシューと合わせてスレーブストロボなどの増設が容易になるので商品撮影などに適している。
フジに問い合わせたところホットシューとシンクロターミナルを同時に使用しての2灯発光が可能とのこと。
三脚のネジ穴がレンズ中心と同一線上に配置され理想のかたちである。
電池室はグリップ部に配置され歴代のネオ一眼機と同じ。
駆動は単三電池4本。

先にも述べたがマニュアルズームを採用したことでマクロボタンとINFOボタンはフォーカス切り替えスイッチと同一線上縦並びに変更されている。
その横にUSB端子、AV端子、電源端子と各端子が並びラバーキャップで保護されている。
S602,S7000にあった他のキーとの組み合わせで設定変更ができるSHIFTボタンは廃止された。
背面のFボタンでダイレクトに設定可能となったが一部のみと簡素な仕様となった。
便利だっただけに残念である。

操作ボタンの配置はこちらも歴代の機種と大きくは変わらない。
測光パターンを独立したスイッチで切り替えられるようにしたのは高評価である。

上面の操作ボタンは他のネオ一眼機と変わらない。
露出補正などの専用ボタンの配置に統一性がなく、S602やS6000fdでは露出補正が右側に配置されているがS9100だと左側に配置されている。
シャッターボタンはメカニカルレリーズが使える。

グリップ後方部にメモリースロットを装備するのは同社製の他のネオ一眼機と同じ。
この世代はxDピクチャーカードとコンパクトフラッシュのダブルスロットになっている。
最大認識容量はmicroSD-CF変換アダプターを配して8GBまで動作確認済み。
但し、正式対応は2GBまでであり、カードとの相性により使用できない可能性もあるので自己責任で。

ディスプレイのノッチ位置は上方90度下方45度となり、これが最大稼働位置となる。
稼働角度や収納状態を見ると、機能としては中途半端になってしまったことは否めない感じがする。
これならばS6000fdのように2.5インチや3インチといった大型のディスプレイを本体に装備させた方がよかったように思う。

ポップアップした際の発光部の高さは所持しているネオ一眼の中で一番高く、フィルターなどを装備しての撮影でもワイド端でケラれることは少ないと思う。

最後に

流石フラッグシップ機だけのことはあり、S6000fdなどと比べると物理的な装備に加えメニュー画面での設定の多さが目立つ。
その中でも画質をシャープネス、彩度、コントラストと3項目3段階に調整が可能。
Fクロームなど撮影用途に合わせて画調を変えられるのは便利である。
但し、これといって大きな特徴が無く、持ち出す理由を見出せないのはちょっと残念である。
露出精度が高く手軽に撮影できると考えるとどうしてもS602やS6000fdを駆り出してしまう。
良いカメラとは思うのだが・・・

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