| 目次 | 前の項目 | 次の項目 | JavaTM 印刷サービス API ユーザガイド |
クライアントでは、MIME タイプを使用して印刷データ書式を指定せずに、Java オブジェクトを印刷サービスに渡すこともできます。印刷サービスでは、Java オブジェクトから印刷データ書式を決定します。たとえば、Java オブジェクトには、PostScriptTM ドキュメントをカプセル化できます。クライアントでは、MIME タイプを使用してドキュメントを PostScriptTM として明示的に指定せずに、Java オブジェクト内にドキュメントへの参照をラップすることができます。印刷サービスでは、この参照を検査して、書式が PostScriptTM であると判断します。印刷データは Java オブジェクト経由で印刷サービスに渡されるため、Java オブジェクトが実装するクラスはその表現クラスになります。DocFlavor クラスには、DocFlavor.SERVICE_FORMATTED と呼ばれる内部クラスがあります。この内部クラスには、サービスが書式を設定する印刷データを表現する DocFlavor オブジェクト定数が組み込まれています。これらの定数の MIME タイプは、「application/x-java-jvm-local-objectref」です。表現クラスとして名前が付けられたインタフェースを実装する Java オブジェクトへの参照を、クライアントが供給することを示します。
DocFlavor.SERVICE_FORMATTED に含まれる次の 3 つの DocFlavor オブジェクト定数は、サービスが書式を設定する印刷データとともに使用される一般的な表現クラス名を表しています。
DocFlavor.SERVICE_FORMATTED.PAGEABLE - クライアントが java.awt.print.Pageable インタフェースを実装するオブジェクトを供給する。 このオブジェクトは、印刷するページを表現する。プリンタは、印刷するページを 1 ページずつ取得するために、このインタフェース内でメソッドを呼び出す。ページごとにプリンタはグラフィックスコンテキストを供給し、グラフィックスコンテキスト内にクライアントが描画したものをすべて印刷する。 DocFlavor.SERVICE_FORMATTED.PRINTABLE - クライアントが java.awt.print.Pageable インタフェースを実装するオブジェクトを供給する。 このオブジェクトは、各ページのコンテンツを描画する。プリンタは、印刷するページを 1 ページずつ取得するために、このインタフェース内でメソッドを呼び出す。ページごとにプリンタはグラフィックスコンテキストを供給し、グラフィックスコンテキスト内にクライアントが描画したものをすべて印刷する。 DocFlavor.SERVICE_FORMATTED.RENDERABLE_IMAGE - クライアントが java.awt.image.renderable.RenderableImage インタフェースを実装するオブジェクトを供給する。 このオブジェクトは、レンダリングとは独立した方法で扱うことのできるイメージを表現し、品質について妥協せずに、プリンタなどの多様なコンテキストにレンダリングすることができる。プリンタは、印刷するイメージを取得するために、このインタフェース内でメソッドを呼び出す。 「はじめに」で説明したように、2D グラフィックスを Java オブジェクトにラップするアプリケーションでは、サービスが書式を設定する印刷データの DocFlavor 定数を使用できます。詳細は、「2D グラフィックスの印刷とストリーム配信」を参照してください。