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前面は至ってシンプルなデザイン。
モデルナンバーのプリントが無く、底面のラベルを見なければ型番は分からない。
筐体はチープなプラスチックベースだが、以前のフジよりも塗装に厚みが感じられクリア塗装もされている。
側面には最下位モデルだけに赤外線通信などの主要装備は無く、USB端子のみと非常に簡素。
AC電源での駆動ができず、単三電池のみの駆動となるため、USBケーブルを使ってのデータ転送は、電池の消耗を考えると緊急用と考えた方がよい。
下位モデルであっても端子は金メッキと時代の流れか。
側面はAシリーズ伝統メッキパーツが豊富に使われている。
くどいようだが手垢が目立つので、メッキパーツの使用をもう少し控えてもらいたいところ。
上面は電源ボタンにシャッターボタンと非常にシンプル。
グリップ部となる部分は電池収納と相まって厚みを増してあり、適度にラウンドされているのでのっぺりとしたデザインながらもホールド性はなかなか良い。
また、ボディは単三電池仕様ながらこの厚みに抑えてあるのは立派だと思う。
底面に電池室とメディアスロットの挿入口は変わらぬ仕様。
最下位モデルでありながら三脚ネジ穴を装備してあるのには高評価。
レンズの焦点距離はf=5.7mm〜17.1mm(35mm換算32mm〜96mm相当)と、昨今のデジカメからみるとかなりズーム倍率は低い。
最下位モデルで安価なカメラなだけに、コストは掛けられないといったところで、銅鏡1段と構造やレンズ構成も簡素化されている。
AF補助光が無いため暗部でのピント合わせは苦手。
ストロボはCCD調光式でiフラッシュ搭載である。
シャッターボタンは僅かだがボディより突出させ、尚且つ適度なストロークを持たせて押し難いということはない。
メッキパーツを側面廻りに採用していながら、背面はシルバー1色と地味なデザイン。
非常にシンプルである。
操作系はモードダイヤルなどが一切無く、全てメニュー画面から設定変更する。
フジの使い勝手はそのままなので、フジのカメラに慣れたユーザーなら特に扱い難いというところは無い。
大抵この手の安価なモデルだとビギナーを対象としていることから、設定できる項目が省略されていることが多いが、意外に基本は抑えてあるので、少し設定を弄るようなユーザーでも大きな不満無く扱えると思う。
安価なモデルだと省略されがちな露出補正ボタンが設けられているのは高評価。
背面のディスプレイは2.7インチ23万画素。
ベゼルの大きさからみると3インチも搭載可能だが、安価なモデルのためコストの面で2.7インチに留まっている。
このモデルはSDとSDHCカードのみと、既に失敗作であったxDピクチャーカードは廃止されている。
電池スロットの脇にラバーで閉ざされた切込みがあるので、アダプターを配してDC供給可能なようであるが詳細は分からず。
最後に
当時の実売5,000円台から7,000円台と非常に安価であり、最下位モデルのカメラでありながら、所有しているAシリーズ末期モデルA900から比べると機能が大幅に増えている。
その内容は通常のシーンポジションに加え高感度2枚撮りなどが含まれ、一昔前の中堅機以上に積まれたポジションを装備。
また、電子手ブレ機能、連射機能復活、コンティニュアスAF、パノラマ、顔キレイナビ、自動でシーンポジションを選択するSRオート搭載など、顔キレイナビが登場した2006年以降の中堅機カメラの装備をそのままに、高精細な1600万画素のパネルを載せたようなそんなカメラに仕上げられている。
ただ、電子手ブレ機能がSRオート以外で設定できないのが非常に残念。
この手のものは常時オンの状態が殆んどだと思うので、これはどのモードでも設定できるようにするべきだったと思う。