jstat [ generalOption | outputOptions vmid [interval[s|ms] [count]] ]
generalOption
outputOptions
vmid
[protocol:][//]lvmid[@hostname[:port]/servername]vmid 文字列の構文の大部分は、URI の構文に対応しています。vmid は、ローカル JVM を表す単純な整数から、通信プロトコル、ポート番号、および他の実装固有の値を示す複雑な構造まで、さまざまに異なります。詳細は、「仮想マシン識別子」を参照してください。
interval[s|ms]
count
jstat ツールは、設置されている HotSpot Java 仮想マシン (JVM) のパフォーマンス統計データを表示します。ターゲット JVM は、仮想マシン識別子、つまり下記の vmid オプションによって識別されます。
注: このユーティリティはサポート対象外であり、将来の J2SE SDK のバージョンでは利用できなくなる可能性があります。現在、Windows 98 および Windows Me プラットフォームでは使用できません。
vmid 文字列の構文の大部分は、URI の構文に対応しています。
[protocol:][//]lvmid[@hostname][:port][/servername]
protocol
lvmid
hostname
port
servername
jstat コマンドは、一般的なオプションと出力オプションの 2 つのタイプのオプションをサポートしています。一般的なオプションを使用した場合、jstat は簡単な使用率およびバージョン情報を表示します。出力オプションでは、統計データ出力の内容と形式を指定します。
注: すべてのオプションとその機能は、将来のリリースで変更または廃止される可能性があります。
いずれかの一般的なオプションを指定した場合、他のオプションまたはパラメータは一切指定できません。
一般的なオプションを指定しない場合に、出力オプションを指定できます。出力オプションは、jstat の出力の内容および形式を指定し、単一の statOption と、他のいずれかの出力オプション (-h、-t、および -J) とで構成されます。 statOption は最初に記述する必要があります。
出力は、各列が空白で区切られたテーブルの形式で構成されます。タイトルを記したヘッダ行に、各列の説明が記されます。 -h オプションを使用して、ヘッダを表示する頻度を設定します。 通常、列のヘッダ名はオプションが異なっている場合でも一貫しています。一般に、2 つのオプションで同じ名前の列が使用されていれば、2 つの列のデータソースは同じになります。
-t オプションを使用すると、Timestamp
というラベルの付いたタイムスタンプの列が、出力の最初の列として表示されます。Timestamp
列には、ターゲット JVM の起動からの経過時間が、秒単位で表示されます。タイムスタンプの精度は、さまざまな要因によって異なり、大量の負荷のかかったシステムでのスレッドスケジュールの遅延により変動します。
interval および count パラメータを使用して、jstat がその出力を表示する頻度と回数をそれぞれ指定します。
注: 将来のリリースでこの形式は変更される可能性があるため、jstat の出力を解析するスクリプトは作成しないことをお勧めします。jstat 出力を解析するスクリプトを作成する場合は、このツールの将来のリリースで、そのスクリプトを変更しなければならないことに留意してください。
オプション | 表示内容 |
---|---|
class | クラスローダの動作に関する統計データ |
compiler | HotSpot Just-in-Time コンパイラの動作に関する統計データ |
gc | ガベージコレクトされたヒープの動作に関する統計データ |
gccapacity | 世代ごとの容量と対応する領域に関する統計データ |
gccause | ガベージコレクション統計データの概要 (-gcutil と同じ) と、直前および現在 (適用可能な場合) のガベージコレクションイベントの原因 |
gcnew | New 世代の動作に関する統計データ |
gcnewcapacity | New 世代のサイズと対応する領域に関する統計データ |
gcold | Old 世代および Permanent 世代の動作に関する統計データ |
gcoldcapacity | Old 世代のサイズに関する統計データ |
gcpermcapacity | Permanent 世代のサイズに関する統計データ |
gcutil | ガベージコレクション統計データの概要 |
printcompilation | HotSpot コンパイル方法の統計データ |
以降の表では、jstat が statOption ごとに出力する列について概要を示します。
列 | 説明 |
---|---|
Loaded | ロードされたクラスの数 |
Bytes | ロードされた K バイト数 |
Unloaded | アンロードされたクラスの数 |
Bytes | アンロードされた K バイト数 |
Time | クラスのロードやアンロード処理に要した時間 |
列 | 説明 |
---|---|
Compiled | 実行されたコンパイルタスクの数 |
Failed | 失敗したコンパイルタスクの数 |
Invalid | 無効にされたコンパイルタスクの数 |
Time | コンパイルタスクの実行に要した時間 |
FailedType | 最後に失敗したコンパイルのコンパイルタイプ |
FailedMethod | 最後に失敗したコンパイルのクラス名とメソッド |
列 | 説明 |
---|---|
S0C | Survivor 領域 0 の現在の容量 (KB) |
S1C | Survivor 領域 1 の現在の容量 (KB) |
S0U | Survivor 領域 0 の使用率 (KB) |
S1U | Survivor 領域 1 の使用率 (KB) |
EC | Eden 領域の現在の容量 (KB) |
EU | Eden 領域の使用率 (KB) |
OC | Old 領域の現在の容量 (KB) |
OU | Old 領域の使用率 (KB) |
PC | Permanent 領域の現在の容量 (KB) |
PU | Permanent 領域の使用率 (KB) |
YGC | Young 世代の GC イベント数 |
YGCT | Young 世代のガベージコレクション時間 |
FGC | フル GC イベント数 |
FGCT | フルガベージコレクション時間 |
GCT | ガベージコレクションの合計時間 |
列 | 説明 |
---|---|
NGCMN | New 世代の最小容量 (KB) |
NGCMX | New 世代の最大容量 (KB) |
NGC | New 世代の現在の容量 (KB) |
S0C | Survivor 領域 0 の現在の容量 (KB) |
S1C | Survivor 領域 1 の現在の容量 (KB) |
EC | Eden 領域の現在の容量 (KB) |
OGCMN | Old 世代の最小容量 (KB) |
OGCMX | Old 世代の最大容量 (KB) |
OGC | Old 世代の現在の容量 (KB) |
OC | Old 領域の現在の容量 (KB) |
PGCMN | Permanent 世代の最小容量 (KB) |
PGCMX | Permanent 世代の最大容量 (KB) |
PGC | Permanent 世代の現在の容量 (KB) |
PC | Permanent 領域の現在の容量 (KB) |
YGC | Young 世代の GC イベント数 |
FGC | フル GC イベント数 |
このオプションは、-gcutil オプションと同じガベージコレクション統計データの概要を表示しますが、最後のガベージコレクションイベントと (適用可能な場合は) 現在のガベージコレクションイベントの原因が含まれます。-gcutil で一覧表示される列の他に、このオプションでは次の列が追加されます。
列 | 説明 |
---|---|
LGCC | 最後のガベージコレクションの原因 |
GCC | 現在のガベージコレクションの原因 |
列 | 説明 |
---|---|
S0C | Survivor 領域 0 の現在の容量 (KB) |
S1C | Survivor 領域 1 の現在の容量 (KB) |
S0U | Survivor 領域 0 の使用率 (KB) |
S1U | Survivor 領域 1 の使用率 (KB) |
TT | 殿堂入りしきい値 |
MTT | 最大殿堂入りしきい値 |
DSS | 適切な Survivor サイズ (KB) |
EC | Eden 領域の現在の容量 (KB) |
EU | Eden 領域の使用率 (KB) |
YGC | Young 世代の GC イベント数 |
YGCT | Young 世代のガベージコレクション時間 |
列 | 説明 |
---|---|
NGCMN | New 世代の最小容量 (KB) |
NGCMX | New 世代の最大容量 (KB) |
NGC | New 世代の現在の容量 (KB) |
S0CMX | Survivor 領域 0 の最大容量 (KB) |
S0C | Survivor 領域 0 の現在の容量 (KB) |
S1CMX | Survivor 領域 1 の最大容量 (KB) |
S1C | Survivor 領域 1 の現在の容量 (KB) |
ECMX | Eden 領域の最大容量 (KB) |
EC | Eden 領域の現在の容量 (KB) |
YGC | Young 世代の GC イベント数 |
FGC | フル GC イベント数 |
列 | 説明 |
---|---|
PC | Permanent 領域の現在の容量 (KB) |
PU | Permanent 領域の使用率 (KB) |
OC | Old 領域の現在の容量 (KB) |
OU | Old 領域の使用率 (KB) |
YGC | Young 世代の GC イベント数 |
FGC | フル GC イベント数 |
FGCT | フルガベージコレクション時間 |
GCT | ガベージコレクション総時間 |
列 | 説明 |
---|---|
OGCMN | Old 世代の最小容量 (KB) |
OGCMX | Old 世代の最大容量 (KB) |
OGC | Old 世代の現在の容量 (KB) |
OC | Old 領域の現在の容量 (KB) |
YGC | Young 世代の GC イベント数 |
FGC | フル GC イベント数 |
FGCT | フルガベージコレクション時間 |
GCT | ガベージコレクション総時間 |
列 | 説明 |
---|---|
PGCMN | Permanent 世代の最小容量 (KB) |
PGCMX | Permanent 世代の最大容量 (KB) |
PGC | Permanent 世代の現在の容量 (KB) |
PC | Permanent 領域の現在の容量 (KB) |
YGC | Young 世代の GC イベント数 |
FGC | フル GC イベント数 |
FGCT | フルガベージコレクション時間 |
GCT | ガベージコレクション総時間 |
列 | 説明 |
---|---|
S0 | Survivor 領域 0 の使用率 (現在の容量に対するパーセンテージ) |
S1 | Survivor 領域 1 の使用率 (現在の容量に対するパーセンテージ) |
E | Eden 領域の使用率 (現在の容量に対するパーセンテージ) |
O | Old 領域の使用率 (現在の容量に対するパーセンテージ) |
P | Permanent 領域の使用率 (現在の容量に対するパーセンテージ) |
YGC | Young 世代の GC イベント数 |
YGCT | Young 世代のガベージコレクション時間 |
FGC | フル GC イベント数 |
FGCT | フルガベージコレクション時間 |
GCT | ガベージコレクション総時間 |
列 | 説明 |
---|---|
Compiled | 実行されたコンパイルタスクの数 |
Size | メソッドのバイトコードのバイト数 |
Type | コンパイルタイプ |
Method | コンパイル方法を特定するクラス名とメソッド名。クラス名では、名前空間の区切り文字として、「.」ではなく「/」が使用される。メソッド名は、指定されたクラス内のメソッドである。これらの 2 つのフィールドの形式は、HotSpot - XX:+PrintComplation オプションと対応している |
この項では、21891 の lvmid を持つローカル JVM を監視する例を示します。
gcutil オプションの使用
この例は、lvmid 21891 に接続して、250 ミリ秒間隔で 7 つのサンプルを取得し、-gcutil オプションでの指定に従って出力を表示します。
jstat -gcutil 21891 250 7
S0 S1 E O P YGC YGCT FGC FGCT GCT
12.44 0.00 27.20 9.49 96.70 78 0.176 5 0.495 0.672
12.44 0.00 62.16 9.49 96.70 78 0.176 5 0.495 0.672
12.44 0.00 83.97 9.49 96.70 78 0.176 5 0.495 0.672
0.00 7.74 0.00 9.51 96.70 79 0.177 5 0.495 0.673
0.00 7.74 23.37 9.51 96.70 79 0.177 5 0.495 0.673
0.00 7.74 43.82 9.51 96.70 79 0.177 5 0.495 0.673
0.00 7.74 58.11 9.51 96.71 79 0.177 5 0.495 0.673
この例の出力は、Young 世代のコレクションが 3 番目と 4 番目のサンプル間で行われたことを示しています。コレクションには 0.001 秒かかっており、オブジェクトが Eden 領域 (E) から Old 領域 (O) に昇格したため、Old 領域の使用率は 9.49% から 9.51% に増加しています。Survivor 領域は、コレクション前は 12.44% が使用されていましたが、コレクション後は 7.74% しか使用されていません。
この例は、lvmid 21891 に接続して、250 ミリ秒間隔でサンプルを取得し、-gcutil オプションでの指定に従って出力を表示します。さらに、-h3 オプションを使用して、データが 3 行表示されるごとに列ヘッダを出力します。
jstat -gcnew -h3 21891 250
S0C S1C S0U S1U TT MTT DSS EC EU YGC YGCT
64.0 64.0 0.0 31.7 31 31 32.0 512.0 178.6 249 0.203
64.0 64.0 0.0 31.7 31 31 32.0 512.0 355.5 249 0.203
64.0 64.0 35.4 0.0 2 31 32.0 512.0 21.9 250 0.204
S0C S1C S0U S1U TT MTT DSS EC EU YGC YGCT
64.0 64.0 35.4 0.0 2 31 32.0 512.0 245.9 250 0.204
64.0 64.0 35.4 0.0 2 31 32.0 512.0 421.1 250 0.204
64.0 64.0 0.0 19.0 31 31 32.0 512.0 84.4 251 0.204
S0C S1C S0U S1U TT MTT DSS EC EU YGC YGCT
64.0 64.0 0.0 19.0 31 31 32.0 512.0 306.7 251 0.204
この例では、ヘッダ文字列の繰り返しが見られるほかにも、2 番目と 3 番目のサンプル間で Young GC が行われたことがわかります。この継続時間は 0.001 秒でした。このコレクションでは、Survivor 領域 0 の使用率 (S0U) が適切な Survivor サイズ (DSS) を超過することになるライブデータが検出されました。この結果、オブジェクトは、Old 世代 (この出力には非表示) へ昇格され、殿堂入りしきい値 (TT) が、31 から 2 へ降格されました。
別のコレクションが、5 番目と 6 番目のサンプル間で行われています。このコレクションでは、Survivor がほとんど見られず、殿堂入りしきい値を 31 に戻しました。
この例は、lvmid 21891 へ接続し、250 ミリ秒間隔で 3 つのサンプルを取得しています。-t オプションを使用して、最初の列にサンプルごとのタイムスタンプを表示しています。
jstat -gcoldcapacity -t 21891 250 3
Timestamp OGCMN OGCMX OGC OC YGC FGC FGCT GCT
150.1 1408.0 60544.0 11696.0 11696.0 194 80 2.874 3.799
150.4 1408.0 60544.0 13820.0 13820.0 194 81 2.938 3.863
150.7 1408.0 60544.0 13820.0 13820.0 194 81 2.938 3.863
Timestamp
列には、ターゲット JVM の起動時からの経過時間が、秒単位でレポートされています。さらに、-gcoldcapacity 出力では、割り当て要求または昇格要求あるいはその両方を満たすためにヒープが拡張するごとに、Old 世代の容量 (OGC) と Old 領域の容量 (OC) とが増加していることがわかります。Old 世代の容量 (OGC) は、81 番目のフル GC (FGC) 後に、11696 KB から 13820 KB へ増加しています。Old 世代 (および領域) の最大容量は、60544 KB (OGCMX) なので、まだ拡張できる余裕が残されています。
この例は、-gcutil オプションを使用して、remote.domain というシステム上の lvmid 40496 に接続し、サンプルを秒単位で無期限に取得しています。
jstat -gcutil 40496@remote.domain 1000
... output omitted
lvmid は、リモートホストの名前と結合されて、40496@remote.domain の vmid を構成しています。結果として、この vmid は、rmi プロトコルを使用して、リモートホスト上のデフォルトの jstatd サーバと通信します。jstatd サーバは、rmiregistry を使用して、デフォルトの rmiregistry ポート (ポート 1099) にバインドされた remote.domain に配置されれます。
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