目次 | 前の項目 | 次の項目 | Java オブジェクト直列化仕様 バージョン 5.0 |
クラス ObjectOutputStream
は、オブジェクト直列化を実装するためのものです。このクラスは、すでに直列化されたオブジェクトセットなどのストリームの状態を維持します。そのメソッドは、直列化するオブジェクトのトラバーサルを制御して、指定されたオブジェクトと参照するオブジェクトを保管します。
package java.io; public class ObjectOutputStream extends OutputStream implements ObjectOutput, ObjectStreamConstants { public ObjectOutputStream(OutputStream out) throws IOException; public final void writeObject(Object obj) throws IOException; public void writeUnshared(Object obj) throws IOException; public void defaultWriteObject() throws IOException, NotActiveException; public PutField putFields() throws IOException; public writeFields() throws IOException; public void reset() throws IOException; protected void annotateClass(Class cl) throws IOException; protected void writeClassDescriptor(ObjectStreamClass desc) throws IOException; protected Object replaceObject(Object obj) throws IOException; protected boolean enableReplaceObject(boolean enable) throws SecurityException; protected void writeStreamHeader() throws IOException; public void write(int data) throws IOException; public void write(byte b[]) throws IOException; public void write(byte b[], int off, int len) throws IOException; public void flush() throws IOException; protected void drain() throws IOException; public void close() throws IOException; public void writeBoolean(boolean data) throws IOException; public void writeByte(int data) throws IOException; public void writeShort(int data) throws IOException; public void writeChar(int data) throws IOException; public void writeInt(int data) throws IOException; public void writeLong(long data) throws IOException; public void writeFloat(float data) throws IOException; public void writeDouble(double data) throws IOException; public void writeBytes(String data) throws IOException; public void writeChars(String data) throws IOException; public void writeUTF(String data) throws IOException; // Inner class to provide access to serializable fields. abstract static public class PutField { public void put(String name, boolean value) throws IOException, IllegalArgumentException; public void put(String name, char data) throws IOException, IllegalArgumentException; public void put(String name, byte data) throws IOException, IllegalArgumentException; public void put(String name, short data) throws IOException, IllegalArgumentException; public void put(String name, int data) throws IOException, IllegalArgumentException; public void put(String name, long data) throws IOException, IllegalArgumentException; public void put(String name, float data) throws IOException, IllegalArgumentException; public void put(String name, double data) throws IOException, IllegalArgumentException; public void put(String name, Object data) throws IOException, IllegalArgumentException; } public void useProtocolVersion(int version) throws IOException; protected ObjectOutputStream() throws IOException; protected writeObjectOverride() throws NotActiveException, IOException; }
単一引数の ObjectOutputStream
コンストラクタは、指定された OutputStream
にオブジェクトを直列化する ObjectOutputStream
を作成します。このコンストラクタは、writeStreamHeader
を呼び出して、マジック番号とバージョンをストリームに書き込みます。そして、このストリームは、単一引数の ObjectInputStream
コンストラクタの対応する readStreamHeader
を呼び出すことによって読み込まれ、検査されます。セキュリティマネージャがインストールされている場合、このコンストラクタは、putFields
メソッドまたは writeUnshared
メソッド、あるいはその両方をオーバーライドするサブクラスのコンストラクタによって直接または間接的に呼び出されたときに、"enableSubclassImplementation"
SerializablePermission
のチェックを行います。
writeObject
メソッドは、オブジェクトをストリームに直列化するために使用します。オブジェクトは、次のように直列化されます。
1. サブクラスが実装をオーバーライドする場合は、writeObjectOverride
メソッドを呼び出してから、復帰します。実装のオーバーライドは、この節の最後で説明します。
2. ブロックデータバッファにデータがあれば、それがストリームに書き込まれ、バッファがリセットされます。
3. オブジェクトが null であれば、null がストリームに置かれ、writeObject
から戻ります。
4. 手順 8 に示したように、オブジェクトが以前に置き換えられていれば、置き換えのハンドルをストリームに書き込み、writeObject
から戻ります。
5. オブジェクトがストリームにすでに書き込まれていれば、そのハンドルがストリームに書き込まれ、writeObject
から戻ります。
6. オブジェクトがClass
であれば、対応するObjectStreamClass
がストリームに書き込まれ、そのクラスのハンドルが割り当てられ、writeObject
から戻ります。
7. オブジェクトがObjectStreamClass
の場合、そのオブジェクトは 4.3 で説明するクラス記述子の書式の 1 つを使用してストリームに書き込まれ、ハンドルが割り当てられます。バージョン 1.3 以降の Java TM 2 SDK, Standard Edition では、ObjectStreamClass
がダイナミックプロキシクラス以外のクラスを表す場合、writeClassDescriptor
メソッドが呼び出され、そのクラスを出力します。ダイナミックプロキシクラスであるかどうかは、関連付けされたClass
オブジェクトをjava.lang.reflect.Proxy
のisProxyClass
メソッドに渡すことで判別されます。その後、クラスがダイナミックプロキシクラスであればannotateProxyClass
メソッドが呼び出され、そうでない場合はannotateClass
メソッドが呼び出されて、表されているクラスの注釈が書き込まれます。すると、writeObject
メソッドが返されます。
8. オブジェクトのクラスまたは ObjectInputStream
のサブクラスによる潜在的な置換を処理します。
9. オブジェクトがjava.lang.String,
の場合、文字列は長さの情報として書き込まれ、その情報のあとに変更後の UTF-8 で符号化された文字列の内容が続きます。詳細は、「6.2 ストリーム要素」を参照してください。ハンドルが文字列に割り当てられ、writeObject
が返されます。
10. オブジェクトが配列の場合、writeObject
が再帰的に呼び出されて、配列のObjectStreamClass
が書き込まれます。配列用のハンドルが割り当てられます。その直後に、配列の長さの分だけ続きます。その後、配列の各要素がストリームに書き込まれて、writeObject
が返されます。
11. オブジェクトが enum 定数であれば、writeObject
を再帰的に呼び出して、その定数の enum 型に対するObjectStreamClass
が書き込まれます。このストリームへの書き込みは、オブジェクトの最初の参照時だけです。この enum 定数のハンドルが割り当てられます。次に、手順 9 で説明したように、enum 定数のname
メソッドで返された値がString
オブジェクトとして書き込まれます。以前ストリームに同じ名前の文字列があった場合には、その名前に対するバック参照が書き込まれます。すると、writeObject
メソッドが返されます。
12. 正規オブジェクトの場合、writeObject
を再帰的に呼び出すことにより、オブジェクトのクラスのObjectStreamClass
が書き込まれます。このストリームへの書き込みは、オブジェクトの最初の参照時だけです。このオブジェクト用のハンドルが割り当てられます。
13. オブジェクトの内容がストリームに書き込まれます。
writeObject
メソッドを保持しない場合、defaultWriteObject
メソッドが呼び出されて、直列化可能フィールドのストリームへの書き込みが行われます。クラスが writeObject
メソッドを保持する場合、このメソッドが呼び出されます。defaultWriteObject
か putFields
のどちらか、および writeFields
を呼び出してオブジェクトの状態を保存し、その後、他の情報をストリームに書き込むことができます。writeExternal
メソッドが呼び出されます。NotSerializableException
がスローされます。
例外は、トラバーサル中に発生する場合も、基礎ストリーム内で発生する場合もあります。IOException
のすべてのサブクラスで、例外プロトコルを使って例外がストリームに書き込まれ、ストリーム状態が破棄されます。最初の例外をストリームに書き込んでいる間に 2 番目の IOException
がスローされると、ストリームの状態は不明のままで、writeObject
から StreamCorruptedException
がスローされます。その他の例外の場合、ストリームは中止され、不明で使用不能な状態のままになります。
writeUnshared
メソッドは、「非共有」オブジェクトを ObjectOutputStream
に書き込みます。このメソッドは、指定されたオブジェクトを常に新しい一意のオブジェクトとしてストリームに書き込む (以前に直列化されたインスタンスへのバック参照とは対照的) 点を除いては、writeObject
と同じです。具体的には、次のようになります。
writeUnshared
を介して書き込まれたオブジェクトは、以前に書き込まれたことがあるかどうかに関係なく、常に、新しく出現するオブジェクト (ストリームにまだ書き込まれていないオブジェクト) と同じ方法で直列化される
writeUnshared
によって以前に書き込まれたオブジェクトを書き込む際に writeObject
を使用すると、以前の writeUnshared
操作は、別のオブジェクトの書き込みとして扱われる。つまり、ObjectOutputStream
は、writeUnshared
の呼び出しによって書き込まれたオブジェクトデータのバック参照を生成しない
writeUnshared
を介してオブジェクトを書き込むこと自体は、オブジェクトが直列化復元されたときにそのオブジェクトへの一意参照を保証するものではありませんが、1 つのオブジェクトがストリーム内で複数回定義されることは可能になります。そのため、受け取り側が ObjectInputStream.readUnshared
メソッド (「3.1 ObjectInputStream クラス」を参照) を複数回呼び出しても衝突が生じません。ここで説明した規則は、writeUnshared
によって書き込まれた基本レベルのオブジェクトだけに適用され、直列化されるオブジェクトのグラフ内で一時的に参照されるサブオブジェクトには一切適用されません。
defaultWriteObject
メソッドは、現在のクラスに対するデフォルトの直列化機構を実装します。このメソッドの呼び出しは、クラスの writeObject
メソッドからのみ可能です。このメソッドは、現在のクラスの直列化可能フィールドすべてをストリームに書き込みます。writeObject
メソッドの外部からこのメソッドが呼び出されると、NotActiveException
がスローされます。
putFields
メソッドは、ストリーム内の直列化可能フィールドの値を設定する際に呼び出し側が使用する PutField
オブジェクトを返します。フィールドは、任意の順序で設定できます。すべてのフィールドの設定が完了したら、writeFields
を呼び出してフィールド値を規定の順序でストリームに書き込む必要があります。フィールドが設定されない場合、そのフィールドタイプに適したデフォルト値がストリームに書き込まれます。このメソッドは、直列化可能クラスの writeObject
メソッド内からしか呼び出すことができません。また、このメソッドは、1 回しか呼び出すことができず、defaultWriteObject
がすでに呼び出されている場合は呼び出せません。writeFields
を呼び出した後でないと、他のデータをストリームに書き込むことはできません。
reset
メソッドは、ストリーム状態を再設定して、構成時の状態に戻します。Reset
により、それまでストリームに書き込まれたすべてのオブジェクト状態は破棄されます。ストリーム内の現在位置に再設定のマークが付けられるため、対応する ObjectInputStream
も同じ位置で再設定されます。以前にストリームに書き込まれたオブジェクトが、ストリームに書き込み済みのオブジェクトとして記憶されることはありません。これらのオブジェクトは、ストリームに再度書き込まれます。これは、オブジェクトの内容やオブジェクトを再送信しなければならない場合に有用です。オブジェクトの直列化時に Reset
が呼び出されない場合もあります。不正な仕方で呼び出されると、IOException
がスローされます。
JavaTM 2 SDK, Standard Edition, v1.3 から、ObjectStreamClass
の直列化が必要になると、writeClassDescriptor
が呼び出されるようになりました。writeClassDescriptor
は、ObjectStreamClass
表現の直列化ストリームへの書き込みを担当します。サブクラスでこのメソッドをオーバーライドすることにより、クラス記述子の直列化ストリームへの書き込み方法をカスタマイズできます。このメソッドをオーバーライドする場合は、ObjectInputStream
内の対応する readClassDescriptor
メソッドもオーバーライドして、カスタムストリーム表現からクラス記述子を再構成する必要があります。デフォルトでは、writeClassDescriptor
は、「6.4 ストリーム形式の文法」で指定された形式に従ってクラス記述子を書き込みます。このメソッドは、ObjectOutputStream
が以前の直列化ストリーム形式を使用していない場合にのみ、呼び出し可能である点に留意してください (「6.3 ストリームプロトコルのバージョン」を参照)。直列化ストリームに以前の形式 (ObjectStreamConstants.PROTOCOL_VERSION_1
) が使用されている場合、クラス記述子はオーバーライドまたはカスタマイズ不可能な方法で内部に書き込まれます。
Class
の直列化中、かつクラス記述子のストリームへの書き込み後に、annotateClass
メソッドが呼び出されます。サブクラスがこのメソッドを継承して、クラスに関する他の情報をストリームに書き込むことも可能です。この情報の読み取りは、対応する ObjectInputStream
サブクラスの resolveClass
メソッドを使って実行する必要があります。
ObjectOutputStream
サブクラスは、replaceObject
メソッドを実装することにより、直列化の過程でのオブジェクトの監視および置換を実行できます。オブジェクトを置換する場合、最初の置換対象オブジェクトに対し writeObject
を呼び出す前に、enableReplaceObject
を呼び出して置換を明示的に有効にする必要があります。オブジェクトの置換が有効にされた後、オブジェクトを初めて直列化する直前に、各オブジェクトに対して replaceObject
が呼び出されます。replaceObject
メソッドは、特別に処理されるクラスである Class
、ObjectStreamClass
のオブジェクトに対しては呼び出されません。サブクラスの実装が、元のオブジェクトではなく直列化される代替オブジェクトを返す場合があります。代替オブジェクトは、直列化可能でなければなりません。ストリームにおける元のオブジェクトへのすべての参照は、置換オブジェクトによって置き換えられます。
オブジェクトの置換中に、サブクラスは、代替オブジェクトと参照の格納される全フィールドとの互換性が保たれていること、または直列化復元時に相補置換が行われることを保証する必要があります。オブジェクトのタイプがフィールドまたは配列要素のタイプのサブクラスではない場合、そのオブジェクトは、ClassCastException
をスローすることにより直列化復元を中止します。参照は格納されません。
enableReplaceObject
メソッドは、直列化の際に、あるオブジェクトで別のオブジェクトを代用することを可能にするために、信頼できる ObjectOutputStream
のサブクラスが呼び出します。オブジェクトの置換は、enableReplaceObject
が true
値で呼び出されるまでは、使用不可になっています。また、使用可能にしたあとで、false
に設定して、使用不可にされる場合があります。前の設定が返されます。enableReplaceObject
は、置換を要求するストリームを信頼できるかどうかを調べます。オブジェクトの private 状態が意図せずに公開されないことを保証するために、信頼できるストリームサブクラスだけが replaceObject
を使用することを許可されます。信頼されるクラスは、Serializable 置換を有効にする権限を保持する、セキュリティ保護ドメインに属するクラスです。
ObjectOutputStream
のサブクラスがシステムドメインの一部とはみなされない場合、SerializablePermission "enableSubstitution"
をセキュリティポリシーファイルに追加する必要があります。ObjectInputStream
のサブクラスの保護ドメインに、enableReplaceObject
の呼び出しによる "enableSubstitution"
の権限がない場合は、AccessControlException
がスローされます。セキュリティモデルの詳細は、JavaTM セキュリティアーキテクチャ (JDK1.2) のドキュメントを参照してください。
writeStreamHeader
メソッドは、マジック番号とバージョンをストリームに書き込みます。この情報は、ObjectInputStream
の readStreamHeader
メソッドを使って読み取る必要があります。ストリームの一意な形式を識別するために、サブクラスがこのメソッドを実装することが必要な場合があります。
flush
メソッドを使用して、ストリームが保持するバッファを空にして、基礎ストリームにフラッシュを転送します。基礎ストリームのフラッシュを強制せずに ObjectOutputStream
のバッファだけを空にする場合、サブクラスから drain
メソッドを使用できます。
プリミティブ型の書き込みメソッドはすべて、DataOutputStream
を使って値を符号化して、標準ストリーム形式にします。バイトがブロックデータレコードにバッファリングされることにより、オブジェクトのエンコーディングとの区別が可能になります。このバッファリングにより、クラスのバージョン管理が必要な場合、プリミティブデータのスキップも可能になります。また、クラス固有のメソッドを呼び出すことなく、ストリームの構文解析を行うことも可能になります。
直列化の実装をオーバーライドするには、ObjectOutputStream
のサブクラスは、保護された引数なしの ObjectOutputStream
コンストラクタを呼び出す必要があります。SerializablePermission "enableSubclassImplementation"
の引数なしのコンストラクタ内にはセキュリティチェックがあり、信頼できるクラスだけにデフォルトの実装のオーバーライドを許可します。このコンストラクタは、ObjectOutputStream
に private なデータを割り当てず、ファイナルの writeObject
メソッドは writeObjectOverride
メソッドを呼び出してから復帰することを示すフラグを設定します。ほかのすべての ObjectOutputStream
メソッドは、ファイナルではないので、サブクラスによって直接オーバーライドされます。
PutField
クラスは、あるクラスがデフォルトの直列化を使わない場合に、そのクラスの直列化可能フィールドの値を設定するための API を提供します。各メソッドは、指定された名前付きの値をストリームに配置します。背後のストリームが例外をスローした場合は、入出力例外がスローされます。名前がオブジェクトの ObjectStreamClass
に宣言されたフィールド名と一致しないか、値の型が直列化可能フィールドの宣言された型と一致しない場合には、IllegalArgumentException
がスローされます。
直列化可能なオブジェクトの場合、writeObject
メソッドによって、クラスがそれ独自のフィールドの直列化を制御することができます。そのシグニチャーを次に示します。
private void writeObject(ObjectOutputStream stream) throws IOException;
直列化可能なオブジェクトの各サブクラスは、それ独自の writeObject
メソッドを定義することができます。クラスにこのメソッドが実装されていなければ、defaultWriteObject
によって与えられるデフォルトの直列化が使用されます。実装されている場合は、そのクラスは、そのスーパータイプやサブタイプのフィールドではなく、それ独自のフィールドだけを書き込む責任があります。
クラスの writeObject
メソッドは、実装されている場合、そのクラスの状態を保管する責任があります。ObjectOutputStream
の defaultWriteObject
メソッドまたは writeFields
メソッドを一度 (一度だけ) 呼び出してからでないと、対応する readObject
メソッドでそのオブジェクトの状態を復元するために必要になる任意指定のデータを書き込むことはできません。任意指定のデータを書き込まない場合でも、defaultWriteObject
または writeFields
を一度呼び出す必要があります。任意指定データ (ある場合) の書き込みの前に defaultWriteObject
か writeFields
が呼び出されなければ、その writeObject
メソッドを定義したクラスを解決できない場合に、インスタンスの直列化復元の動作は未定義になります。
この任意指定データの形式、構造体、バージョン管理の責任のすべては、そのクラスにあります。
java.io.Externalizable
を実装するオブジェクトは、writeExternal
メソッドを実装して、そのオブジェクトの状態全体を保存しなければなりません。このオブジェクトは、そのスーパークラスと協調して、それらの状態を保管しなければなりません。ObjectOutput
のすべてのメソッドが、オブジェクトのプリミティブ型フィールドとオブジェクトフィールドを保管するために使用できます。
public void writeExternal(ObjectOutput stream) throws IOException;
JDKTM 1.2 で、外部化可能データを書き込むためのデフォルト形式が導入されました。新しい形式では、プリミティブデータは、writeExternal
メソッドによってブロックデータモードで書き込まれるように指定されています。さらに、writeExternal
メソッドから戻ったあとに、ストリームの末尾に外部オブジェクトの末尾を示すタグが追加されます。この形式変更の利点については、「3.6 readExternal メソッド」を参照してください。この変更により生じる互換性の問題の詳細は、「2.6 useProtocolVersion メソッド」を参照してください。
Serializable および Externalizable クラスの場合には、writeReplace
メソッドは、オブジェクトが書き込まれる前に、オブジェクトのクラスがストリーム内で自らの置換を指定することを許可します。writeReplace
メソッドを実装することにより、クラスは、直列化されている自らのインスタンスの型およびインスタンスを直接制御できます。
このメソッドは、次のように定義します。
ANY-ACCESS-MODIFIER Object writeReplace() { throws ObjectStreamException;
ObjectOutputStream
がストリームにオブジェクトを書き込む準備をしているとき、writeReplace
メソッドが呼び出されます。ObjectOutputStream
は、クラスが writeReplace
メソッドを定義しているかどうかをチェックします。writeReplace
メソッドが定義されている場合は、このメソッドが呼び出されます。これにより、オブジェクトがストリーム内で自らの置換を指定できるようになります。返されるオブジェクトは、渡されるオブジェクトと同じ型であるか、あるいは読み込みおよび解釈処理後の型が、そのオブジェクトへのすべての参照と互換性がなければなりません。そうでない場合、型の不一致が検出されたときに、ClassCastException
が発生します。
下位互換性のないストリームプロトコルへの変更のため、現在の仮想マシンでは、以前のリリースが読み取り可能な直列化ストリームを書き込むことができる機構が追加されました。ただし、下位互換性のあるプロトコルを使う場合は、新しいストリーム形式では修正されている問題が発生する可能性があります。
ストリームプロトコルのバージョンについては、「6.3 ストリームプロトコルのバージョン」で説明します。
目次 | 前の項目 | 次の項目 | Java オブジェクト直列化仕様 バージョン 5.0 |
Copyright © 2004 Sun Microsystems, Inc. All rights reserved