来週、いよいよ最終週を迎える朝ドラ『あさが来た』が連日20%の視聴率を超えて好調のようであるが、はっきり言わせてもらうと当方には面白いとは思えないのが正直なところである。
勿論、高視聴率であった『マッサン』の視聴率を超え、一定の視聴者に支持されているのは認めるが、朝からあの馬鹿家族の姿を見せられるのには、もういい加減厭き厭きしている。
放送前の番宣で「歴史上で実在した人物をモデルにしながらも原作に副って事業の話ではなく恋愛を中心に描く」とされ、どのように展開されるのかと期待していたのだが、結局は「馬鹿家族のお披露目」 → 「事業の話」 → 「馬鹿家族のお披露目」 → 「また事業の話」と繰り返し続けられ、「もうウンザリ」の一言に尽きてしまった。
『あさが来た』の上記のパターンが見え始めてから前作『まれ』を並行して見直し始めたが、終日20%に満たない視聴率ながらも話の展開は遥かにこちらの方が面白いし、ヒロインの演技力も『波留』より『土屋太鳳』の方が上手く評価も高いと改めて感じた。 (実際、土屋太鳳は映画『orange』で2015年日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞している)
とあるサイトで「波留の演技力が光らないのは周りの俳優陣に大物が多いから」とあったが、確かにその意見も正しいと思う。 だが、その多くの俳優陣の出演が更にこの作品をつまらなくしている理由の一つになっているとも云えるのではないかと当方は感じている。 (引き立て役ならば主演クラスの大物俳優は必要ないと思うからである)
どうも最近はこのような単純志向のドラマが人気を博すようで、ダラダラと同じことを繰り返すドラマが何故評価されるのか当方には全く理解ができない。 逆に最近の NHK のドラマは低視聴率のものの方が内容が濃く完成度の高い作品が多いし、視聴率2%台と最悪であった『逃げる女』では脚本や演出も良く考えられており、出演した『水野美紀』と『仲里依紗』の演技は秀逸であった。
仮に低視聴率であったドラマが再放送される機会があるのであれば、それらの作品を観ることを当方は強くお薦めする。 運良く低視聴率であったドラマを観ることができたならば、良質であった作品がこれらダラダラ志向、単に高視聴率であったドラマの中に埋もれてしまっていることに気付くことと思う。
今回の当方の意見はあくまでも個人的意見にすぎないが、今期作品『あさが来た』は、今を思うとモデルとなった『広岡浅子』の半生を大河ドラマなどで歴史的観点から描いた作品の方が面白かったのではないかと感じている。 (ここ最近、『八重の桜』、『花燃ゆ』のように女性が題材の作品は悉く撃沈してしまっているが…)
兎に角、観始めたからには最後まで見届ける予定でいるが、ラスト一週で挽回するとは到底思えないので、このような作品だったのだと頭の中を切り替えて次回作に期待することにした。
追記
因みに『まれ』の音楽担当はガンダムシリーズ最高傑作であった『機動戦士ガンダムUC』を手掛けた『澤野弘之』によるもの。 場面場面の音楽での盛り上げ方が上手かったし、どうりで馴染みのある音楽だと感じたわけである。