久々にF610が出品されたので手に入れてしまいました。
フジの縦型カメラ最終機であるこのF610は、当時既にデザイン的に衰退したモデルであり、機能が豊富ながらも販売台数は伸び悩み、殆んど巷では見掛けぬ希少なモデルになってしまった悲運なカメラでした。
サブディスプレイとその操作ボタンを独立して装備した操作性は、フジの歴代カメラの中でも秀逸であったにもかかわらず、コンデジとしては複雑なその操作性が敬遠され、完全に失敗に終わったカメラでした。
ですが、多彩な撮影を求めるユーザーにとっては同じフジのネオ一眼のサブ機として、またデジタル一眼レフのサブ機としても扱えるその操作性は、「よくできたカメラだった」と言い切れる内容のものだったと思います。(当方の主観が強いですけどね)
さて、今回のF610は僅かに使用による小傷が散見されながらも特に目立った傷はなく、美品に値するほど綺麗な状態でした。
そのF610の落札価格は530円と、以前にニコイチで組み上げた個体よりも安価且つ付属品も充実した内容のものでした。
カメラ以外の付属品は
- ACアダプター
- 専用USBケーブル
- 専用バッテリー
- 同封されていた 16MB xDピクチャーカード
- 専用ストラップ
と、撮影に必要なものはすべて付属していました。
これで530円ですから、2年前にジャンク機を掴まされてニコイチ修復したのがアホらしくなるような落札価格です。
勿論、今回の個体は正常動作品。 外観の状態も良く大満足です。
ディスプレイの輝度も十分。 あまり使用していなかった個体のようですね。
インフォメーションディスプレイとなるサブ画面。
サブ画面はページ方式で左右キーで次ページを表示させなければならず、フジ機に慣れたユーザーには少々扱いにくいのですが、オートの際はプログラムシフトと露出補正が画面に表示され、下部のボタンでダイレクトに変更が可能になっています。 SS優先AEや絞り優先AEの場合はシャッタースピードや絞り値の変更もダイレクトに変更ができ、間違いなく歴代Fシリーズ中、最も操作性の高かったモデルになります。
画像の通り、サブ画面の輝度も十分明るく頗る調子が良いです。
希少なモデルだけにオークションで競り合うかと思いきや、今回はスムーズに落札できたのは意外でした。 さすがに2004年製と12年も前のカメラですから、当然といえば当然なんでしょうけどね。
それでも希少なモデルには変わりはありませんから、補修部品として考えただけでも手に入れて損はなかったと思っています。
そうそう、確かCCDパネルはFinePix S7000と同じなんですよね。 S602ほど緑被りはありませんが、この世代でも明暗がはっきりしたシチュエーションで暗部の多い状況では途端に緑被りが現れますから、それだけは注意しないとならないです。
プリセットダイヤルを装備して操作性を向上させた FinePix F710/F810 とはまた違った意味で触れているだけでも楽しくなってくるカメラですね。