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オーブンレンジでリフロー

2015.12.26 01:33

先ずは前置き。

先月の中頃、AMD機を使用したくなって12インチモデルとなる Pavilion dv2 を手に入れた。

実は以前から手に入れようか悩んでいたPCであったのだが、12インチモデルはメール保存用にhp nc2400に加えて通常使用にlenovo X200、サイト作成や新雑記帳更新用にCF-R6を使用しており、その代替機としてlenovo X200sがあったので購入は見送っていた。

今回のdv2はUKモデルでhp純正のWindows7アップデートディスク付き即決6,500円だったので、間髪入れずに即決してしまった。(このUKモデルのdv2の記事は現在執筆中。アップ時期は未定)

ところが商品が届いて確認するとオークションフォームで綺麗な状態と説明があるにもかかわらず、ディスプレイに少々大き目な目立つ線傷はあるし、外装廻りのメッキパーツには剥がれが目立つ。底面にはゴム足が2つ欠損していたり、HDDには不良セクターが数ヶ所あったりと散々であった。

ということで、どうしてもこれら部分を修復し、見栄えをもう少し良くしたかったので、綺麗なジャンク機が出品されるのを待つことにした。

この『待つ』の意味であるが、元々dv2にはAMD機しか存在しておらず、あまり人気のあったモデルではなかった為、球数が少なく綺麗な個体が手に入り難いモデル。

しかも当方が手に入れたのは店頭販売モデルの『 ZEN-design asagiri 』となる為、殆んど見掛けることがない。加えてデュアルコアとなった後期型の秋モデルと年単位で待たなければ手に入れられないほど希少なモデルである。

がしかし、なんと運良く同モデルの日本仕様が今月になってジャンクとして出品されたのでこちらも間髪入れずに入札して手に入れた。

で、ここからが本題。
続き
このジャンクdv2は最初のUKモデルと違って非常に綺麗な状態で傷など皆無な個体であった。

ジャンク状態は電源投入はできるが起動しない状態で、Pavilionシリーズによくあるチップセットかグラフィックチップの半田クラックで故障した個体である。

ただ、ジャンク機でありながらもパーツ類は残されており、標準搭載されていた2GBのメモリーも抜かれずにきちんと搭載されていた。2GBのメモリーが1枚余っており、他のモデルに載せて4GBにさせることが可能なのでこれだけでも手に入れた甲斐はあった。

さて、早速UKモデルと合わせて同時に2台を分解し、良いとこ取りをして組み上げて綺麗な状態に仕上げた。

と、ここでジャンク機をそのまま元に戻すのは面白くない。そこで以前から試してみたかったオーブンレンジでのリフローに挑戦してみることにした。

先ずは外せるパーツはすべて外してシステムボードのみの状態にする。またこのシステムボードにはチップやボード自体に表裏絶縁シートが貼られているのでこれも綺麗に剥がす。

オーブンレンジでのリフローは500℃まで上げるのでプラパーツの保護が必要になる為、チップセットとグラフィックチップ以外はアルミホイルで覆って保護するようにした。

ファイル 519-1.jpg

アルミホイールに包んでチップだけ露出するとこのような感じ。

これを大きな皿に載せ、先ずはオーブンモードにセットして500℃で3分加熱して予熱する。

ネット上で調べると8分程度熱するとあったので、8分にセットして加熱を開始。(この時、レンジモードで絶対加熱しないこと。一発でシステムボードがぶっ飛んでおしゃかになるので注意)

この間、プラ部分が溶けて燃えたり発火しないようにオーブンレンジの前で待機。無事に8分加熱が終了したら更に3分余熱を与え、終了したら暫く待って半田の温度が下がるのを待つ。

オーブンレンジから出してから今度は1000Wのドライヤーで熱風を当ててゆっくりと冷やし、半田が急激に冷えてまたクラックを起こさないように対処する。手で触れられるまでに下がったら最後にそのまま放置して自然に温度が下がるようにした。

完全に温度が下がったところで主要パーツのみを仮組して起動できるか確認してみたが、症状はまったく変わらず起動はできなかった。

どうやら今回は時間が短かくて半田が溶けなかったのか、失敗に終わってしまったようだ。

以前、ネットで調べた時にチップの上に10円玉を載せて熱伝導を高めてやるとよいというのを読んだことがあった。またその10円玉の上に細かく切った半田の切れっぱしを載せて半田がきちんと溶けるかも確認できるようにした方がよいともあったので、次回はそれを実施して再挑戦してみようと思う。

因みにハンディバーナーでもリフローできるようだが、以前持っていた業務用のもの(歯科技工士などが使うものを友人の技工士から取り寄せてもらった)は既に壊れて捨ててしまっていて無い。

車業界にいた時に使用していたもので業界から離れて必要が無くなってしまったので今更購入する気はない。やはりもう一度オーブンレンジで挑戦するしかないようだ。

これで直ってくれるとシステムボードのスペアができるので大変にありがたいのだが、そう易々と素人が直せるようなものではないことがよく分かった。