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dv6500 Vista 最終レポ

2015.10.17 08:20

今回でdv6500 Vista仕様の最終レポになります。

先ずはハード面で書き忘れた部分を追記。

ファイル 495-1.jpg

以前購入して売却したdv6500とEU仕様のdv6700を比べた時に確認済みだったのですが、実はこの世代のパソコンはIntel側でハード面での大きな変更が無かった為、メーカー側で僅かなブラッシュアップだけ施して殆んど仕様は変更されないまま、マイナーチェンジが繰り返されてリリースされていました。

その証拠にマザーボードのモデルナンバーを CPUID Hardware Monitor で見ると『Quanta 30D2』と、これはdv6500ウィンターモデルとdv6700共に同じマザーボードとなっています。

dv6500初期モデルは所有したことがなく確認はしていないのでわかりませんが、多分そちらも同じナンバーだと思います。
続き
実際、dv6500の初期モデルとウィンターモデルやdv6700などを見ても大きな差は無く、グラフィックのメモリーが初期モデルはメインメモリーと共有。ウィンターモデルで専用のメモリーを128MB実装(+メインメモリー共有)し、dv6700では256MB(+メインメモリー共有)へアップされたのみでした。

勿論、交換可能なハードに関してはHDDの容量を上げたりCPUのクロック数を上げたり無線LANの変更など周辺パーツの強化は施してありましたが、システムボード自体の変更は上記の内容のみでした。

ですから、この3モデルに関してはZEN-designもノーマルは『雫』と同じでしたし、Special Editionで一部違うデザインが採用されただけですから、基本的に周辺パーツを変更してしまえば、みな同じ仕様に仕上がってしまう程度の差でしかありませんでした。

グラフィックのメモリーの性能差は勿論ありますが、一般的な用途ではどれを使用しても大きな差は感じられないと思います。

ちょっと不思議だったのは、前モデルのdv6200ではグラフィックにGeForceをオプションで選択すると有線LANはGigaBit LANだったのに対し、後継機であったdv6500とdv6700では最後までGigaBit LANは積まれず100M Baseのままでした。

さて、今回のdv6500に関してですが、破損個所がありながらもリカバリ領域がきちんと残っており、バッテリーも CPUID Hardware Monitor で見る限り Wear Level が34%と半分以上の充電可能容量が確保され、バッテリーでの駆動も可能な状態です。

オークションで見るPavilionシリーズは大抵バッテリーがお逝きになっているのが殆んどですから、今回のdv6500が如何に安価(落札価格2,002円)であったかが分かるかと思います。

次に本題のOS、Vistaに関してですが、実は当方、何度かノートパソコンにVistaをお試しインストールしてみたことがあったのですが、「動作が重い」やら「XPに比べて扱い難い」などネットでの評判の先入観が大きく、本格的にカスタマイズして弄って遊んだのは今回が初めてでした。

本格的に使用するにあたってOSのカスタマイズやレジストリのチューニング、また不要サービスの無効化などを含め、インストールしたソフトウェアもWindows7(以下Win7)とほぼ同じように仕上げましたが、いざ使用してみると更新ファイルで肥大化したWin7よりもVistaの方が起動が早くウィンドウの表示なども予想以上に軽快なのには驚かされました。

ファイル 495-2.jpg

こちらは以前使用していたdv6500のWin7でのデスクトップ画面。(Skypeはポータブル版でネットワーク経由でファイルサーバーに置いてあるので、ショートカットのみですからシステムへの影響はまったく無いです。)

オンラインスキャンを使用していた頃でしたので、Microsoft Security Essentialsはまだインストールしていない状態でした。

ファイル 495-3.jpg

こちらは今回のVistaのデスクトップ画面。Win7のデスクトップ画面と比べてインストールしてあるソフトはほぼ同じであることが確認できると思います。

更にVistaはIE9までの対応となる為、コンポーネントブラウザに再びKIKI1.4.8を復活インストール。IE9のサポートを打ち切ったサイトの表示用にPale Moonをインストールして使用(殆んどメインで使用する為、ポータブル版ではなくインストール版を導入)。BlinkエンジンにOpera@USBを入れてあります。

Acrobat Readerに関してはVistaはReader Xまでしか対応していませんので、そちらをインストール。このReader Xが来月でサポートが終了となってしまいますから、PDFファイルの閲覧をどうするか今後の課題となりそうです。(非公式でありますがReader XIがインストール使用可能との報告もあります)

加えて最近のウィルスは巧妙化されて手動削除が面倒になったので、Microsoft Security Essentialsを導入しましたが、似たような環境でセキュリティソフトも入れながらもVistaの方が起動時間が短くレスポンスが良いです。

偶にネット上でVistaに拘っているユーザーが居ますが、その理由が分かるような気がしてきました。

次にデスクトップ(GUI関係)を見た感想ですが、アイコンをクラシックアイコン(Win7では小アイコン)にして小さくするとWin7ではアイコンが小さくなるだけでデスクトップに表示されるアイコンの数は変わりませんでしたが、Vistaはアイコンの間隔がきちんと狭くなって縦に並べられる数も多くなり、画面全体で表示できるアイコン数が増えて整理もしやすく使い勝手が良いです。

それにAeroを切ってベーシックスタイルにしてもタスクバーは黒いままですから、Win7のように水色一色に固定されて壁紙とのバランスが悪くなることもなく好印象でした。

というかシンプルになった分、Win7のタスクアイコンは見易くなっていますが、見やすさ重視でタスクバーのデザインはダサすぎです。

ようこそ画面や休止状態からの復帰時のバックグラウンドの画像などGUIを含めて歴代のOSの中でデザインはVistaが一番優れているのではないかと思います。

但し、良いことばかりではありません。

当方はスタートメニューの中に『お気に入り』を表示させるようにし、よく利用するサイトを上位に持って来て使いやすいように並べ替えておりますが、Vistaの場合は並び替えても次回OSを起ち上げると「あいうえお順(アルファベット順など)」に戻されてしまう仕様になっています。

この仕様の打開策として登録してある『お気に入り』のレジストリを変更することで順番を割り振ることができるらしいのですが、カテゴリーフォルダーを増やした際に割り当てを再変更しなければならず、再度レジストリで設定するのが少々面倒であることから、別の対応策として作成したカテゴリーフォルダーの前に番号を追記してよく利用するカテゴリーに若い番号を充てがって上位に並べられるようにするのが手っ取り早い遣り方なのだそうです。(『パソコン関連』というカテゴリーフォルダーなら『01 パソコン関連』とフォルダー名の先頭に番号を付ける)

ただこれにも制約があって作成したフォルダーに追記できる番号は30までとなっています。31番からは番号だけが表示されるだけで、例えば『31 パソコン関連』というふうなフォルダー名ですと『お気に入り』で表示されるフォルダー名は『31』だけが表示されるようになってしまいます。

なんかややこしい仕様になっていますね。

Vistaのカーネルは改良を重ねてサービスパック2辺りからほぼWin7と変わりはなくWin7並みに軽快に動作しますが、物理メモリーの使い方はWin7の方が上手く、Vistaはメモリー使用量が肥大化する傾向にあります。

VistaやWin7は積極的に物理メモリーを使用してアプリケーションのレスポンスなどを良くする作りになっていますが、新しいOSだけにWin7の方が限られた容量の中で上手く利用しているように感じました。

今回、32bit版のインストールでしたし、お遊びでの使用が目的でしたからメモリーを2GBまでしか積みませんでしたが、可能ならば32bit上限の3GBまで搭載する方が更に快適に動作することと思います。

まぁ、どのOSでもメモリーは多い方が良いのは当たり前の話ですが、今回の当方のようなお遊びで弄ったりインターネットやメール程度の使用なら2GBでも十分動いてくれます。

それとHDDの容量も同じく肥大化しやすい傾向にあるので、Cドライブ(今回はお遊びだったので40GBで作成)もある程度の容量を確保しておいた方が良さそうです。

操作面に関してはネットでその違いが多く報告されていますから詳しい内容は省きますが、Win7はVistaの簡易版や無駄を省いた軽量版などと言われつつ、Vistaに有ってWin7に無いもの、またWin7に有ってVistaに無いものと、どちらも一長一短のように感じます。

この両方の良さを生かしたOSとしてGUIを変更せずにWindows8.xが作られていたのなら、間違いなくXPに並ぶ優良OSになっていたと思います。

最後に無線LANに関してですが、前回のレポで記述した通りdv6500はチップセットに965PM,GMを実装しているので、DraftN対応のIntel 4965AGNが正式にサポートされています。

当時販売された時はコストダウンの為なのか前モデルの3945ABGが装備されていましたが、当方はお蔵入りさせた6910pから換装させて4965AGNに載せ換えてあります。

当然ながら認識されて動作していますが、dv6700 EU仕様(こちらは標準で4965AGNを搭載)の時と同じで300M対応の4965GNを載せても300Mでの通信はできなくなっており、20MHz固定の144Mでしか通信ができない仕様になっています。(載せた4965AGNのカードは6910pでは300Mでの通信が可能でした)

この辺りもコンシューマモデル故の制約なのかも知れませんね。(それでもスピードテストサイトで90MB/sを超えていますから十分ですが)

よってdv6500で4965AGNに換装した場合はデバイスのプロパティにある詳細設定タグで『バンド5.2用 802.11n チャンネル幅』を『20MHz 専用』に固定する必要がありますので注意して下さい。

Windows10がリリースされ、Vistaは今更ながらの観は否めませんが、ネットで悪態を言われるほどのOSには当方は感じませんでした。

勿論、OS自体のカスタマイズ(軽量化)やレジストリでのチューニング、また不要サービスの無効化と他のOSと同じくインストール後に行うセットアップは必要でありますが、一応現役のOSでありWin7と比較しても特に劣っているなどと感じるようなところはありませんでしたから、酷いと騒ぐようなOSではないと思います。

Windows2000はSP2がリリースされるまで、またWindowsXPもSP1aがリリースされるまでは批判され捲ってましたからね。

問題なのは現行OSながらもVistaのサポートを打ち切っているハードやソフトが多いこと。ノートパソコンなのでハード面で困ることはありませんが、ソフト面ではちょっと苦労させられそうです。(どう対応させるか考えるのがまた楽しいんですけどね)

もう少し早くからVistaの素性を見抜いていたなら「もっと楽しめたのかも!?」というのが、今回の率直な感想でした。

さて、結構遊べそうなので再来年のサポート終了まで色々試してみようと思います。

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