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RMI のワイヤ形式は Stream で表現されます。ここで採用している用語は、クライアントからみたものです。Out は出力メッセージを表し、In は入力メッセージを表します。トランスポートヘッダの内容は、オブジェクト直列化を使用した形式ではありません。
Stream:
Out
In
RMI の入力と出力ストリームは対になっています。各 Out ストリームは、対応する In ストリームを持ちます。Out ストリームは、文法的にはソケットの出力ストリームにマッピングします (クライアントから見た場合)。In ストリームは、文法的には、対応するソケットの入力ストリームと対になります。出力ストリームと入力ストリームは対になっているので、入力ストリームで必要になるヘッダ情報は、プロトコルを認識できたかどうかの確認だけです。 それ以外のヘッダ情報 (マジックナンバーやバージョン番号) は、ストリーム対のコンテキストに含めることが可能です。
RMI における出力ストリームは、トランスポート Header 情報とそれに続く Messages の並びから構成されます。交互に出力ストリームは HTTP プロトコルに組み込まれた呼び出しを含めることができます。Message は特定のプロトコル内で、Protocol が指定する方法に従ってラップされます。SingleOpProtocol の場合は、Header に続く Message が 1 つしかない場合があり、Message がラップされる追加データが存在しないことがあります。SingleOpProtocol は HTTP リクエストに組み込まれた呼び出しのために使用されます。単一のリクエストと応答以上の相互作用はありません。
StreamProtocol と MultiplexProtocol の場合は、サーバはバイトコード 0x4e で応答してプロトコルのサポートの通知と、サーバが認識できるホスト名とポート番号を含んだ EndpointIdentifier は現在クライアントが使用中であることを知らせます。この情報を使ってクライアントは、セキュリティ上の理由でできない場合もありますが、自分のホスト名を知ることができます。クライアントはそのあと、もう 1 つの EndpointIdentifier で応答する必要があり、応答の中には接続を受け付けるときのデフォルトの終点が含まれます。MultiplexProtocol では、サーバはこの情報からクライアントを特定することができます。
StreamProtocol の場合は、このエンドポイントのネゴシエーションのあとに、それ以上のデータのラッピングを行うことなしに Messages が出力ストリームへ送られます。MultiplexProtocol の場合は、「10.6 RMI の多重プロトコル」で解説されているように、ソケット接続が多重接続の具象接続として使用されます。この多重化された接続上で開始された仮想接続は、次に説明される一連の Messages から構成されます。
現在、入力メッセージには、Call、Ping および DgcAck という 3 つのタイプがあります。Call は、メソッド呼び出しをエンコードします。Ping は、トランスポートレベルのメッセージであり、リモート仮想マシンの状態をテストします。DGCAck は、サーバの分散ガベージコレクタへ向けられた肯定応答であり、サーバからの戻り値に含まれるリモートオブジェクトがクライアントによって受け取られたことを示します。
Message:
Call
Ping
DgcAck
Call:
0x50 CallData
Ping:
0x52
DgcAck:
0x54 UniqueIdentifier
現在、入力メッセージには、ReturnData、HttpReturn、および PingAck の 3 種類があります。ReturnData は「通常の」RMI 呼び出しの結果です。HttpReturn は HTTP プロトコルに組み込まれた呼び出しに対する戻り値です。PingAck は Ping メッセージに対する肯定応答です。
In:
ProtocolAck Returns
ProtocolNotSupported
HttpReturn
ProtocolAck:
0x4e
ProtocolNotSupported:
0x4f
戻り値:
Return
Returns Return
Return:
ReturnData
PingAck
ReturnData:
0x51 ReturnValue
PingAck:
0x53