複数バージョンの JRE および Java Plug-in のサポート


この章では、次のトピックについて説明します。

同じ環境に複数の JRE バージョンを配備できるように、Java Plug-in のすべての新規またはパッチリリースでは、レジストリキー、CLSID、MIME タイプ、およびほかのリソースを一意に識別するようになりました。

注 - (1) 製品のバージョン番号の詳細は、「Java Plug-in での OBJECTEMBED、および APPLET タグの使用」というセクションの「注記」を参照してください。このセクションでは、バージョン 1.3 と 1.4 が混在する例を使用します。(2) 以下では、Windows を例にして説明しますが、複数バージョンサポートは Solaris や Linux にも適用されます。

一意の CLSID

Java Plug-in のすべての新規またはパッチバージョンに、一意の CLSID が存在します (CLSID は、Windows 上で稼動する Internet Explorer の OBJECT タグで使用されます)。特定バージョンの Java Plug-in を使用する場合、OBJECT タグでこの一意な CLSID を指定してください。CLSID は、レジストリ内の次の位置に格納されます。

HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\

一般に、CLSID は次のような形式になります。

CAFEEFAC-<major version>-<minor version>-<patch version>-ABCDEFFEDCBA

major versionminor version、および patch version は、すべて Java Plug-in/JRE リリースを表す 4 桁の 16 進数です。

例:

たとえば、Java Plug-in 1.4 の CLSID は、次のようになります。

CAFEEFAC-0014-0000-0000-ABCDEFFEDCBA

これは、次のレジストリに格納されます。

HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\CAFEEFAC-0014-0000-0000-ABCDEFFEDCBA

1.3.0_03 の CLSID を次に示します。

CAFEEFAC-0013-0000-0003-ABCDEFFEDCBA

これは、次のレジストリに格納されます。

HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\CAFEEFAC-0013-0000-0003-ABCDEFFEDCBA

CLSID は、レジストリ内の次の位置にも格納されます。 

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Code Store Database\Distribution Units\

一意の MIME タイプおよび dll

新規またはパッチバージョンの Java Plug-in はすべて、一意の MIME タイプおよび NP*.dll を保持します (MIME タイプとして、Netscape では EMBED タグが、Internet Explorer では OBJECT タグ内の PARM が使用されます。NP*.dll は Netscape だけに存在します)。Netscape で Java Plug-in の特定のバージョンを使用する場合、EMBED タグに一意の MIME タイプを指定します。

NP*.dll は、新規またはパッチバージョンごとに一意な名前を使用して、この MIME タイプをサポートします。このため、バージョンの異なる Java Plug-in をインストールしても、Navigator の Plugins ディレクトリ内のほかの .dll ファイルは上書きされません。

一般に、MIME タイプは次のような形式になります。

application/x-java-applet;jpi-version=<version>

version には、メジャー、マイナー、およびパッチバージョン番号が含まれます。

例:

1.4 リリースの MIME タイプを次に示します。

application/x-java-applet;jpi-version=1.4

1.3.0_03 リリースの MIME タイプを次に示します。

application/x-java-applet;jpi-version=1.3.0_03


MIME タイプは、次のファイルでサポートされます。

        NPJPI<modified version number>.dll

例:

Java Plug-in 1.4.0_01 では、一意の MIME タイプは次のようになります。

application/x-java-applet;jpi-version=1.4.0_01

これは、Navigator の Plugins ディレクトリ内の次のファイルでサポートされます。

NPJPI140_01.dll

注:

1.4.0 より前のリリースでは、サポートしている .dll ファイルの形式は NPJava<modified version number>.dll でした。たとえば、リリース 1.3.0_03NPJava130_03.dll でした。

一意の Java Plug-in レジストリキー

Java Plug-in の新規またはパッチバージョンごとに、一意の Java Plug-in レジストリキーが存在します。主要な Java Plug-in レジストリキーを次に示します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\JavaSoft\Java Plug-in\<version number>

<version number> には、メジャー、マイナー、およびパッチバージョン番号が含まれます。

例:

Java Plug-in 1.4 では、レジストリ内に以下のエントリが存在します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\JavaSoft\Java Plug-in\1.4.0

一意の Java Plug-in プロパティファイル

前のバージョンと同様、プロパティファイルは、<user.home>\.java に存在します。ただし、ファイル名は新規またはパッチリリースごとに一意で、次の形式になります。

<user.home>\.java\properties_<modified version number>

<modified version number> には、メジャー、マイナー、およびパッチバージョン番号が含まれます。例:

C:\WINNT\Profiles\stanleyh\.java\properties140_xx

一意の Java Plug-in トレースおよびログファイル

Java コンソールが有効な場合、<user.home> にトレースファイルが自動的に作成されています。この目的は、Java コンソール内に表示される同じメッセージを単一のファイルに記録することです。ただし、競合を避けるため、新規またはパッチリリースごとに一意の名前がファイルに付けられます。一意の名前が付けられたログファイルも存在します。これらのファイルの形式を、次に示します。

<user.home>\.plugin<modified version number>.trace
<user.home>\.plugin<modified version number>.log

<modified version number> には、メジャー、マイナー、およびパッチバージョン番号が含まれます (例、.plugin140_xx.trace)。

一意の Java Plug-in コントロールパネル

新規またはパッチリリースごとに、Java Plug-in コントロールパネル dll の一意のファイル名が存在します。ユーザは、Windows のコントロールパネルから、特定のバージョンの Java Plug-in コントロールパネルを起動できます。dll のファイル名の形式を次に示します。

plugincpl<modified version number>.cpl

<modified version number> には、メジャー、マイナー、およびパッチバージョン番号が含まれます (例、plugincpl130_01.cpl)。

以下で、ユーザは、起動する Java Plug-in コントロールパネルのバージョンを選択できる点に注目してください。

Windows コントロールパネルのウィンドウ

JRE/JDK 用の一意のレジストリキー

JRE/JDK の新規またはパッチリリースごとに、一意のレジストリキーが存在します。リリース 1.3 より前の Java Plug-in では、Java Plug-in の複数のバージョンをインストールすると、JRE/JDK レジストリキーが上書きされました。これらのレジストリキーは、次の位置に配置されます。

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\JavaSoft\Java Runtime Environment\<version number>
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\JavaSoft\Java Development Kit\<version number>

<version number> には、メジャー、マイナー、およびパッチバージョン番号が含まれます (例、1.3.0_01)。

Java Plug-in は、これらのキーを使用して、適切なバージョンの JRE/JDK を検出できます。