J2SE 5.0 における
Java Web Start の機能拡張

Java Web Start の目次

アプリケーションマネージャの削除: J2SE 5.0 リリースには、アプリケーションマネージャは含まれていません。その主な機能は、Java コントロールパネル (以下の項目 3 を参照) と JNLP キャッシュビューア (以下の項目 4 を参照) に含まれています。残りの機能 (JNLP リンクを含む Web ページの表示) は、Web ブラウザでより適切な形で提供されます。

開発者向けバンドルの廃止: Java Web Start は、JRE および JDK に完全に統合化されました。以前は開発者向けバンドルに含まれていたコンポーネントも、JDK に含まれるようになりました。開発者向けバンドルに含まれていたドキュメントは、オンラインで利用可能になっています。JDK に新しく含まれるようになったサンプル用のディレクトリには、4 つの Java Web Start アプリケーションのサンプルソースコード、1 つのサンプル JRE インストーラ、および JNLP ダウンロードサーブレットが収められています。また、JDK には、jardiff.jar、jnlp.jar、および jnlp-servlet.jar も含まれるようになりました。

JNLP キャッシュビューア: JNLP キャッシュビューアは、アプリケーションマネージャのダウンロード済みアプリケーション表示機能に相当します。今回、すべてのアプリケーション、アプレット、ライブラリ、およびインストーラが表示されるようになりました。利用可能なアプリケーションは、オンラインまたはオフラインで起動したり、削除したり、Web から復元したりできます。JNLP ファイルは、href パラメータを持たないものも含め、すべてがキャッシュ内に保存されるようになりました。

システムキャッシュ: システムキャッシュとユーザキャッシュの両方が、Java Web Start に含まれるようになりました。システム管理者は今後、複数ユーザが同一リソースを共有できるように、アプリケーションや共有ライブラリをシステムキャッシュ内に事前にインストールしておくことができます。

インポート機能: Java Web Start にインポート機構が追加されました。この機構は、CD インストール用に使用可能です。CD インストールでは、コードが最初にある場所からロードされ、その後、別の場所から更新されます。また、この機構は、アプリケーションを実行せずにアプリケーションやライブラリをユーザキャッシュまたはシステムキャッシュ内にプレインストールする場合にも使用できます。

デスクトップ統合: (1) アプリケーションのデスクトップ統合は、その適用範囲を GNOME にまで拡げるとともに、機能拡張されています。このため、アプリケーションの JNLP ファイルで、実行すべき統合を指定できるようになりました。JNLP ファイルでは、デスクトップまたはメニュー、あるいはその両方を示したり、サブメニューの名前を指定したりできるようになりました。(2) GNOME 2.0 以上が動作する Windows 上および Unix 上で、Java Web Start アプリケーションは、デスクトップ上またはファイルシステム上に存在する特定の MIME タイプおよび拡張子 (Web ページ内のリンクは除く) のプライマリハンドラとして、自身を登録できるようになりました。(3) アプリケーションのデスクトップ統合内に、その他の関連コンテンツ (HTML リンク、ネイティブコンテンツ、および関連 JNLP アプリケーション) を含めることができるようになりました。

API の機能拡張: JNLP API が機能拡張され、拡張サービス (Extended Service) と単一インスタンスサービス (Single Instance Service) が追加されました。拡張サービスには、オリジナルの仕様では利用不可能なファイル IO API が含まれています。単一インスタンスサービスが提供するメカニズムを使えば、同一のアプリケーションが複数回呼び出された場合に、元のアプリケーションインスタンスに新しい引数を渡すようにすることができます。これにより、Java を重複して起動するオーバーヘッドを回避できます。ただし、JNLP アプリケーション内で単一インスタンス API が呼び出されるまで、単一インスタンス動作は有効になりません。

VM 引数: JNLP ファイル内で、仮想マシンに対する任意の引数を要求できるようになりました。JNLP アプリケーションがこれまで j2se 要素に対して使用できたのは initial-heap-size 引数と max-heap-size 引数だけでしたが、今回は java-vm-args 引数が追加されました。Java Web Start は、安全と判断されるすべての標準的な java 引数および -X 引数に対する要求を尊重します。そうした引数の完全な一覧は、JNLP 仕様を変更しないですむように、個々のリリース内に記載されます。

サンドボックス内で動作する JNLP アプリケーションは、Java 印刷 API を使用したフルサポートの印刷を利用できるようになりました。JNLP アプリケーションが印刷を試みるたびにセキュリティダイアログを表示し、そのアプリケーションに印刷を許可するかどうかをユーザに確認します。これにより、JNLP アプリケーションは完全な印刷サポートを利用できるようになります。これまで JNLP アプリケーションが使用できたのは、JNLP 印刷 API だけでした。これは、Java Plug-in におけるアプレットの印刷動作に似ています。

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