少し前に購入した部品取用の『hp Compaq 6535s 液晶パネルなし ジャンク』に載せられていた CPU 『Athlon X2 Dual-Core QL-60 1.9GHz』が予想外に Windows7 を動かせられていたのと、グラフィックスの問題からお蔵入りとなってしまった dv2200 のリベンジを含めてその後継である dv4a の Sempron 機を購入しました。
その dv4a に換装して使用するつもりがディスプレイに不良があり、修復の為に更にジャンク機を購入。 そのジャンク機には更にクロック数の高い『Athlon X2 Dual-Core QL-64 2.1GHz』が積まれていたことからそちらを載せた為、結局のところ『Athlon X2 Dual-Core QL-60 1.9GHz』が余ってしまいました。
折角パーツもあることだし、稼働可能なシステムボードも保守用に残せる。 更に友人も同機種を所有し、AMD 機ということでお蔵入りさせてしまっているようなので、そのサポートも兼ねて改めて 6535s の稼働品を手に入れて仕上げてみることにしました。
その仕上がった 6535s が上図。 インストールしてあるソフト類はいつも同じですから、当サイトでは見慣れたデスクトップの配置ですね。
さて、6535s の詳細は幾らでもネット検索で調べられますから、こちらでは手にした時の率直な感想を幾つか記述したいと思います。
このモデルは hp のビジネスモデルにあたる機種で14インチの廉価モデルとなるのが今回の 6535s となります。
最初にデザインですが、上部は hp のコンシューマモデルである Pavilion シリーズの第二世代の形状をそのまま踏襲して装飾を無くして簡素化した感じ。 下部のボトムシャーシの形状はビジネスノート EliteBook に近いもので、両者を統合したようなデザインになっています。
上っ面だけを見ると dv2000 シリーズの無塗装版みたいな感じですかね。
プラスティックの素地そのままの安っぽい質感であり、表面も無加工のフラットな表面である為、埃や手垢などが非常に目立ちます。
使用中、絶えずエアーダスターで埃を飛ばしたり、ウエスで手垢を落としていることが多いです。
6535s に搭載された CPU は販売価格を抑える為にすべて AMD で統一され、Turion、Athlon、Sempron と、当時 AMD がリリースする CPU すべてが用意されていました。
当方が購入したモデルは Sempron 機であり、無線 LAN 未搭載に DVD コンボ装備と、当時の最下位モデルになります。
因みに搭載されていた Sempron は SI-42 で 2.1GHz のものでしたので、後期型になると思います。 ですから、前期型で不具合の多かった液晶パネルも対策品に変更されたものが載せられているのではないかと思われます。
実際、輝度もまだまだ十分明るいですし、特に目立って不具合は見受けられないです。
当方は最初に記述した『Athlon X2 Dual-Core QL-60 1.9GHz』へ換装。 無線 LAN も dv4a のジャンク機から Broadcom 4322AG (40MHz 帯対応の 300M 仕様)を移植して Draft-n に対応させました。
ビジネスノートであり廉価モデルである為、装備は最低限のもの。 指紋認証や Bluetooth、ギガビット LAN も無く、オーディオは定番の SoundMAX で IEEE1394 すら装備されておりませんでした。
但し、タッチパッドには操作のしやすい Synaptics 社製が採用されていました。
ビジネスノートで気になるのはやはりキーボードの使用感。 形状は dv2000 シリーズと変わりませんが、タッチ感は Pavilion と違ってストロークは重めのビジネスノート系の設定に仕上げてあります。
ただ、これが良いか悪いかは好みの問題。 Pavilion の中でも dv5 などは軽いタッチ感ながらも適度な重みやストローク量、剛性感も備わり、軽快に打鍵できて「良く仕上げてあるなぁ」と感心したことがありましたが、無理にビジネスライクに振るよりは、そちらを踏襲すれば良かったのではないかと当方は感じました。
『HWMonitor』で見るアイドル時での稼働状況。 CPU のクロック数は 1.9GHz しかありませんし、冷却も特に問題はないようなので意外と安定しています。
高熱によるチップセットの半田ボールの剥がれの多いモデルですが、当方の 6535s は頗る調子良く稼働しております。
バッテリーの消耗率は 14% でまだまだ使えますね。 ジャンク機のと合わせて2つありますが、もう一つはもう少し消耗率が少なかったと記憶しています。
十分モバイル用として使える蓄電量を確保してあると思います。
月9ドラマでヒロイン役を演じ俳優デビュー。 本来の音楽業界でもメジャー入りした『藤原さくら』ちゃんの 720p の MV をフルスクリーンで再生。 搭載されるグラフィックスはチップセット内蔵型の Radeon HD 3200 ですが、コマ落ちせずに普通に再生可能でした。
この時の CPU 稼働率は 50% を切る程度。 発熱も想像していた程ではなく、予想外に安定していました。
どうやら今回のシステムボードは、当たりのようですね。
6535s の Windows エクスペリエンス インデックスは 3.8。 AERO を稼働させても十分実用できるレベルだと思います。
それと前回紹介した当方が所有する dv4a と基本的な構成は同じで、チップセットや使用できる CPU などはまったく同じになります。
ですから、メインメモリーに於いてグラフィックスに使われる共有メモリー量は最初から 256MB が占有されてしまっているので、やはり重い作業をするユーザーは最初から 3GB 以上のメモリーを載せた方が良いように思います。
次に今回仕上げて気に入らなかった部分を2点ほど。
先ずはスピーカーの音。 これ、歴代の hp のノートパソコンや Pavilion シリーズの ALTEC スピーカーに慣れてしまっていると、その音の悪さに嫌気が差します。
ビジネスノートであり廉価版である為、「鳴ればいいでしょう」的な発想なんでしょうけど、ちょっと酷過ぎますね。
SoundMAX のオーディオ設定を開くと一応は簡単な音質調整機能が備わりますが、これが逆に悪さをして更に音を悪くしてしまっています。
対策としてはデフォルトでチェックの入っている『Sonic Focus』というサウンド品質効果機能を根気よく調整するか、面倒臭い場合はチェックを外してしまった方がまだマトモに聴けるようになります。
どう調整しても良くはならなかったので、当方はチェックを外してしまいました。 それでも音質は最悪ですね。
まぁ、元々ビジネス機の廉価モデルですから、期待するのが間違いでしょうけど、当方が所有する hp のビジネス機でここまで悪いのは初めてだったので、少々驚きました。
次に DC ジャックの位置。
左側面の中央付近に設けられており、hp は DC プラグがストレートタイプとなる為、これが卓上では非常に邪魔になります。
L型プラグが用意されているならまだしもストレートタイプしか用意されていないのですから、少しは設計段階で実用性を考えてほしいものです。
そうそう、もう一点。 艶無しのフラットな表面の仕上げなのに何故かディスプレイベゼルは艶ありのクリア仕上げになっています。 不釣り合いで格好悪いです。
国内ではノングレアのみだった覚えがあるのですが、海外ではグレアパネルが存在していたんでしょうか?
実はこの 6535s ですが、使用してみると意外に使いやすいことに気付きます。
重さも持ち歩いて苦になるほどのものではありませんし、各部をラウンドさせて丸みを帯びたデザインも持ちやすく、屋内外を問わず振り回せる適度な大きさ重さに仕上げられていると思います。
当時のライバルであった Intel Core2 よりは当然ながら処理能力で劣る部分は否めませんが、ビジネス用途で使用するなら特に苦にならないでしょうし、チップセット統合型のグラフィックス同士で比べるのであるならば Radeon HD 3200 を積む 6535s の方が多少プレゼンなどで優位になるのではないかと思います。
今となってはタブレットが主体ですからノートパソコンを持ち歩いてというのは非現実的なんでしょうけど、オークションで出品されている台数を見れば、当時売れた機種であることに間違いはないと思います。
まぁ、コストを下げて安価に販売されたのが販売台数に反映されているのでしょうけどね。
当方としてはタブレットの普及により、安価に中古 PC を入手できて色々なノートパソコンを弄れるので、嬉しいことではありますが。
因みにこの 6535s は Win7 ドライバー検証終了時に Windows10 へアップグレードさせました。 本番インストールは Windows7 ですが、Windows10 がこなれてきた頃にでも Windows10 をクリーンインストールする予定でいます。
と言いながらも、いつも Windows10 を触るとイライラして使う気になれないんですけどね。