去年手に入れた dv2 UK 仕様に Seagate ST9320325AS という 320GB の HDD が搭載されていた。
その UK 仕様の dv2 は綺麗な状態とオークションフォームで説明がありながらも筐体にはメッキ剥がれやディスプレイに目立つ線傷、HDD にはセクター不良などがあって修復は必須状態であり、 のちにジャンク機を手に入れてニコイチ修復したのはこちらのサイトで詳記した通りである。
そのセクター不良のある HDD なのだが、ローレベルフォーマットを行って一応は使える状態にして HDD ケースに入れて放置してあったのだが、再度正常に使用できるか先週末に確認したところ、やはり不良セクター部でうまく読み込めず、Windows で認識はされるもののドライブは表示されないままであった。
この HDD はディスクプラッタの先頭付近に不良があるのみであとは正常なことから、不良部分と正常な部分との間にパーティションを設けて2ドライブに別けてしまい、正常な部分だけを利用できないかと試してみることにした。
先ず最初にローレベルフォーマットを施工。 手に入れた当初、一応は行って修復済みであったが、再度行って真っ新な状態へ戻した。
その状態から HDD Tune Pro にてベンチテストを行い、どのあたりにセクター不良があるのか再確認してみた。
上図が 320GB 全域でのチェック結果。 HDD ケースに収めての USB2.0 接続である為、転送レートの上限が30MB/s程度であるが、前途に記載した通りにディスク先頭付近での遅延(不良)のみで、あとは正常であることが確認できた。
ここからどのあたりまでが不良個所(セクター不良及び遅延)なのか調べるのに今度は領域を指定して再度ベンチテストを行った。
先ずは先頭から 5000MB に絞ってベンチテスト。 上図で分かるように 4800MB 付近まで大きな遅延が数箇所確認された。
更に少し拡大して 10000MB で再確認すると、
先程の 4800MB 付近の遅延は 5200MB 辺りまでの乱れが原因のようで、これが大きく4800MB付近で遅延を起こしている感じであった。
また 8600MB 付近で転送レートが 20MB/s を切る結果が現れていたが(17.5MB/s ぐらいか?)、支那製などの安価なケースだと転送レートの最高値が 15MB/s しか出ない粗悪なケースもあることから、それよりもマシであると判断して転送レートが落ち着く 5300MB 付近を目安にパーティションを設けてみることにした。
次にパーティションを設ける作業だが、パーティションで区切って不良セクター部に該当するドライブを未フォーマットにしてあっても Windows が認識できるパーティションでは OS 起動時や HDD ケース接続時にドライブを認識するようドライブ情報を読み込みに行ってしまう為、今回のようなディスクの先頭部分にセクター不良が存在すると情報の読み込みがうまくできず、HDD 自体が認識されても作成したドライブが認識されずに正常なドライブもが使用開始できない問題にぶつかるケースがある。
これを避ける為に Windows では読み込めないフォーマット形式にフォーマットした方が問題を起こし難いので Linux 系の Gparted を利用してパーティションの設置とフォーマットを行うようにした。
最初に UBCD から LIVE CD で Gparted を収める Linux(OS名を失念) を起動。 起動したら Gparted を起ち上げ、今回はデータの仮保存や移動程度に使用する予定でいるので、HDD 全体を msdos に指定して拡張パーティションで作成。 セクター不良のある領域は 5200MB 付近までであったことから 5300MB で区切り sda0 (Windows では HDD0のこと)とし、残りの正常な部分を sda1 として論理ドライブ2つを設けた。
また、フォーマット形式は不良部のある最初の sda0 を Windows では読み込めない ext4 でフォーマットし、sda1 を NTFS でフォーマットした。
こちらがパーティションを設けてフォーマット後に Windows に繋げた時の様子。 ディスク 1 が今回の HDD である。
画像で見て分かるようにセクター不良のある最初のドライブはパーティションの区切りでドライブがあることが Windows で認識されながらもフォーマット形式が対応されていない為、ドライブ情報が読み取れずボリューム内容は無視されている。 (Linux でフォーマット時にボリューム名を『But Partition』と名付けたが、読み込めないのでボリューム名は無記名状態)
正常な残りの部分をもうひとつのドライブとして作成し、NTFS でフォーマットしたので、二つ目は J ドライブとしてきちんと認識された。
ここで HDD-Scan にて J ドライブのセクターチェックを行い、転送レートに問題がないことを確認。 以前は不良セクターがあった為に HDD ケース取り付け時に認識に時間が掛かったり、最悪は認識されてもドライブが見えなかったりと使える状態ではなかったが、今回の作業のお陰で HDD ケースの認識や取り外しもスムーズに行えるようになった。
セクター不良部をパーティションで区切って隔離するというやり方は昔からある技法ではあるが、破棄しようと考えていた HDD がちょっとした作業で実容量 293GB ほどが活用できるようになり、一応めでたしめでたしといったところだろうか。
まだ大きなファイルを使っての転送テストは行っていないが、動作の様子から大丈夫そうに感じた。
最後に少々疑問だったのが HDD 全体を拡張パーティションとし、論理ドライブ二つで構成したにもかかわらず、Windows で読み込めないように ext4 でフォーマットしたドライブが何故かプライマリーパーティションとして認識されていた。 二つ目のドライブと同じく論理ドライブとして認識されるであろうと思っていたので、ちょっと不思議であった。
この現象の詳細は調べていないので分からず仕舞いだが、Windowsでは読み込めず、また使用しない領域なので気にしないことにした。