カメラ繋がりということでもうひとつ。
今回は撮影した枚数が9枚を超えてしまったので、記事を2回に別けてお届けします。
永らく欲しかったSシリーズ中、最後のスーパーCCDハニカム搭載機であるS200EXRを手に入れました。
実のところ、9月のシルバーウィーク頃に入手していたのですが、なかなか記事にするタイミングが取れなくて今頃になってしまいました。
S200EXRのニュースリリースと仕様は以下を参照願います。
http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/articleffnr_0313.html
手に入れたS200EXRは箱は傷んでおりますが元箱付き(内部ブリスターパックなし)。 付属品も完備して汎用レンズキャップがおまけで付いていました。
専用レンズフードを取り付けた時に純正のレンズキャップですと外し難かったようで、前オーナー様は汎用キャップを利用していたみたいですね。 カメラ本体の状態が良いだけに、もしかしたら純正パーツを大事にしたくて汎用キャップを使っていたのかも知れないです。 その証拠に付属品も綺麗な状態でAVケーブルなどは未使用でした。
では、先ずはそのS200EXRを簡単にご紹介。
最上位FinePix S9000/S9100の後継であり、更にSシリーズ過去最大のCCDパネル(2/3インチ)を搭載したFinePix S100FSをブラッシュアップしたモデルがS200EXRになります。 よって外観はS100FSとほぼ同じになります。(ほぼの意味は後ほど)
S100FSからの大きな変更点は更なる高感度撮影を可能にすることとダイナミックレンジの向上を目指し、当時話題であったFinePix F200EXRと同じ“1/1.6型スーパーCCDハニカムEXR”が搭載されました。 残念ながらパネルサイズは2/3から1/1.6インチと小さくなってしまいましたが、画素数は1110万画素から1200万画素に上がっています。
ダイナミックレンジの良さや高感度撮影時のノイズの少なさで一世風靡したF31fdのパネルをSシリーズの廉価モデルS6000fdに載せたことが過去にありましたが、自信作であるパネルを上位機に載せることが度々フジにはあります。(その逆もあり)
最上位であるSシリーズに搭載したということは、それほどF200EXRに載せた1/1.6インチのEXRパネルはフジの自信作だったのだと思われます。 なにせパネルサイズを2/3インチから1/1.6へ下げるぐらいですからね。
まぁ、確かにF31fd以降、どのモデルも後継機となるカメラは実質存在せず、F200EXRがリリースされて初めて後継機とフジユーザーから言われたほどでしたから。
次に外観での大きな違いは背面のディスプレイがS9000/S9100と同じ上下可動式であったのに対して固定式となり、2.5インチから2.7インチに拡大されました。(先程の“ほぼ”の意味はこの部分のこと)
S100FSがネイチャーフォトと題して登場しましたからS9000/S9100に搭載されたのと同じ背面ディスプレイのマルチアングル機能(上下のみ)が備わっていましたが、その謳い文句を捨ててダイナミックレンジなどを中心とした戦略に路線変更した為、S200EXRではマルチアングルを廃止してディスプレイのインチアップを行い、ディスプレイの視認性の向上化を図りました。
ブラッシュアップの大きな変更点はこの二点に留まり、それ以外の部分ではS100FSのボディ(レンズを含め)をそのまま使用しています。
機能的な内容もほぼ継承されていますが、EXRパネルになったことでEXRに関する設定項目が増えています。
簡単に説明するとブラッシュアップの内容はこのような感じになります。
両機種の細かな違いはネット上で幾らでも取り上げられていますから、詳しい内容はネットで検索してもらった方が調べられますので、こちらでは省かせて頂きます。
それではここから画像を交えてS200EXRを見てみたいと思います。
ボディサイズは主要表から抜粋すると
(幅)134.4mm×(高さ)93.6mm×(奥行き)145.0mm (突起部含まず)
本体質量 約820g(バッテリー、メモリーカード含まず)
撮影時質量 約870g(付属バッテリー、メモリーカード含む)
となっており、レンズを装着させた一眼レフよりも軽くはなっておりますが、大きさは殆んど小型な一眼レフと同等の大きさまでになってしまいました。
S9000/S9100や更にコンパクトなS5000/S5200が一眼レフ並みの機能を備えながらも小型化に成功していたSシリーズですが、S6000fd以降はボディサイズが大きくなってしまい、ネオ一眼の良さが一歩後退してしまった観があります。
因みにフィルター径は67mmとちょっと中途半端なサイズ。 中古でmarumiのプロテクターレンズをあとから購入しましたが、球数が少ないので安価に手に入れるのが意外に難しかったです。
S9000/S9100から備わったフラッシュのシンクロターミナルはそのまま継承され、グリップストロボの使用も可能です。
搭載されるレンズは35mm換算で30.5-436mmマクロ付き。 Sシリーズ最上位に備わるスーパーマクロも当然ながら装備されています。
焦点距離が中途半端なのは2/3インチのS100FSのレンズ(28-400mm)をそのまま使用し、CCDパネルサイズが小さくなったことで少々望遠側へシフトしてしまった結果です。
この程度のシフトならS100FSと同じ28mmからの焦点距離に修正が可能だったと思いますが、修正するコストを考えると2.5mm程度の差ならば然程大きなデメリットにならないと踏んだのでしょうね。 逆に望遠側のシフト量の方が大きいですから一般的な商戦としてはこちらの方がメリットが高いとメーカー側は考えたのではないかと思います。
大きなズームリングのボディ寄りにマニュアルフォーカスリングが備わりますが、相変わらずボディに近すぎて操作し難いです。 どうせ電子リングなのですから設置場所は幾らでも修正可能なはず。 もう少しレンズ先端側に移動してくれると有り難いです。
先程は一眼レフと比べると殆んど変わらぬ大きさと述べましたが、このレンズサイズで400㎜を超えるのですから、実際は400mmクラスのレンズを装着したデジ一眼レフよりもコンパクトになります。 これがネオ一眼の良さですよね。
ボディ左面にはフォーカスモード切り替えや端子類が備わるのは歴代のSシリーズ(廉価機を退く)と同じです。
真横から見た姿はペンタ部(フラッシュ部)の形状と軍艦部のラインが格好悪いです。 この部分が気に入らなくて購入を渋っていたのですが、SシリーズでのハニカムCCD搭載機最終モデルでしたので敢えて手に入れています。
フラッシュ部を閉じた状態で発光部が露出しているのも格好悪い。
焦点距離の関係からレンズの鏡筒が長い為、ケラレ防止の為にポップアップさせた時の発光部の高さを稼ぐようフラッシュ部が長く作られているのは致し方ないのですが、収納部を失くして露出させてしまった設計はどうかと思います。
但し、歴代と変わらず手動ポップアップ式なのは高評価ではありますが。
そのフラッシュをポップアップさせたところ。 こちらも非常に格好悪いですね。
発光部の収納部が無い為、ポップアップさせて正面から見ると内部のフランジ部分が丸見えなのは本当に格好が悪いです。
発光部が小さく光量も期待できないでしょうから、ホットシューを利用して外部ストロボに頼った方が良いかも知れません。 但し、外部ストロボですとフジご自慢のスーパーiフラッシュが使えませんから、状況によって使い分けるのが良いでしょう。
右側面グリップ部にメモリースロットが装備されるのは歴代のSシリーズと同じです。 但し、それまでダブルスロットであったものからS200EXRからはxDピクチャーカードが廃止されてSDカードのみとなり、シングルスロットに変更されてしまいました。
xDピクチャーカードの最大容量は2GBまで。 搭載されるCCDパネルの画素数からJPEGでのFINE撮影やRAW撮影では既に容量的に対応しきれなくなってきていました。 加えてSDカードの容量拡大や低価格化も進み、記録媒体の変更は当然の結果だったと思います。
ただ、当時同一スロットでxDとSDの兼用が可能であったのですから、フジが主体としていたxDピクチャーカードの対応は捨てて欲しくなかったですね。 実際S100FSでは両カード対応でしたし、モデルチェンジならまだしもマイナーチェンジでの廃止はタブーだと当方は思います。
次にグリップ部に関してですが、指の掛かる部分だけラバーが貼り付けられ、その他はプラスティックにシボ成型した作りになっています。 この辺りは実は古い廉価モデルのS5000の方が作りが良く、背面の操作パネルから背面ディスプレイ周りと薄いラバーが貼り付けられて高級感がありました。
S200EXRは当時のフジの最上位機であったのですから、もう少しデザインや加工処理に気を遣って頂きたかったです。
一回目のレポのおまけ画像。 純正の専用フードを取り付けたところです。
これがまた不格好で格好が悪い。 口径が大きい為かカメラとのバランスが悪く、これも購入意欲を妨げる要因のひとつでした。
このカメラは完全にデザインで失敗していると言ってよいと思います。
関連記事