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FinePix S304

2015.01.24 20:40

先日のジャンクセットに含まれていましたS304を見てみたいと思います。

付属品は専用レンズキャップに専用ストラップ。加えて専用アダプターリングが付いていました。

因みに撮影に使用したカメラは同じく付属していましたボロボロZ5fdにて撮影しました。前回お伝えした通り、筐体はボロボロでも内部パーツは健在で撮影に関しては調子の良い個体です。

ファイル 379-1.jpg

S304は初代ネオ一眼機4900Zの弟機である2800Zの後継機であり、Sシリーズ初代のS602の廉価版となるモデルでした。またその後、Sシリーズのフラッグシップの廉価版となるS5000との間に誕生したモデルになります。
続き
2800Zをブラッシュアップした後継機となる為、基本コンセプトに大きな差はなく、CCDパネルを200万画素から324万画素へとアップさせ、グリップ部を大きくしてより一眼レフタイプに近付けたデザインに変更されました。

といってもS5000などからの一眼タイプのデザインからは程遠く、トイカメラ的要素の方がまだまだ強いデザインとなっています。はっきり言って2800Zと同じく不格好な形で好みが大きく別れるデザインだと思います。

ファイル 379-2.jpg

搭載されるレンズは6mm-36mm(35mm換算で38mm-228mm相当)と小型なレンズながらCCDパネルの小ささをうまく利用し、光学ズームでの倍率も高くスナップ写真からポートレート写真と、これ一台で大抵のシチュエーションに対応できる領域を確保しています。

レンズの明るさが開放値でワイド端F2.8にテレ端F3.0とテレ側の明るさには驚かされました。テレ側でF3.0ですとシャッタースピードを稼ぐことができ、手ブレ防止にも貢献しますからなかなか優秀なレンズだと思います。

また専用のアダプターリングが標準で付属され、別売のワイドコンバージョンレンズやテレコンバージョンレンズを使用することでワイド端で30mm、テレ端で340mmまで拡げることが可能です。

それとアダプターリングが装着できることでフィルターの使用が可能ですから、当方がいつも行っておりますプロテクターレンズを装着してのレンズへの埃混入防止策も対応可能となります。

画像では分かり難いですがカメラ自体の使用頻度が高いながらもレンズに目立つ埃の混入も無く綺麗な状態でありました。

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左側面はインターフェイスとストロボポップアップボタンのみとシンプルな構成。他の安価なフジ機と同じく撮影に係わる設定は背面の操作ボタンを使用してディスプレイに映し出されるGUIでの設定となりますので、余計なボタン類は一切装備されていません。

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ストロボをポップアップさせたところ。外部調光式となる為、センサーが発光部の横に備わります。

試写していないので未確認なのですが、ポップアップ時の発光部の高さが低い為、アダプターリングを装着したままでのマクロ撮影ではケラレが発生する可能性がありそうです。

ファイル 379-5.jpg

フジのSシリーズ上位機は右側にメディアカードスロットが装備されてダブルスロット仕様になりますが、下位モデルは左側に装備されてシングルスロット仕様になります。よって当時フジが採用していたxDピクチャーカードのみが使用可能となっています。

ファイル 379-6.jpg

下位シリーズとなるS304はSシリーズ上位機種と違ってコンデジ色が強く、先程述べたように設定値の変更はすべて背面の操作パネルにてGUIで設定するようになっています。

またFinePixの中期モデルに採用された操作ボタンと同じくズームボタンと方向キーが兼用されるタイプで、この辺りはビギナーモデルのAシリーズに近い操作感となっています。

その方向キーは左右ボタンが小さく少々操作がし難いように感じました。コンパクトさ故の弊害ですが、このクラスを使用するユーザーはあまり設定を細かく変更することは少ないでしょうから、特に問題になる部分ではないと思います。

操作系で一点気に入らなかったのは電源投入時にEVFで起動してしまうことです。LCDに設定しても一度電源を落として再度電源を投入するとEVFで起ち上がってしまう為、LCDでの使用が中心のユーザーには面倒な仕様です。

そのEVFには視度調整機能が装備されておらず、当方のような近視の人間にはボケてしまってまったく視認できませんでした。よって当方もLCDでの使用がメインとなりますから、この仕様はやはり使い難いと感じました。

ファイル 379-7.jpg

上部の操作部は非常にシンプル。モードダイヤルに装備されるモードも簡素化されており、シーンポジションですらGUIでの設定になります。機械音痴の方には少々扱い辛いかも知れませんね。

この手のモデルを使うユーザーはフルオートかシーンポジションでの使用がメインとなるでしょうから、モードの切り替えはモードダイヤルに装備させた方が扱い易かったと思います。

ファイル 379-8.jpg

操作系で一点意外だったのはMモード時に露出制御機能が備わり、絞り優先AEが装備されていました。フジのMモードは簡易マニュアル的なものでオート撮影を基本として露出補正やホワイトバランス、ISO感度(S304はISO100固定)の変更などが可能となるだけのものですが、前モデル2800Zには装備されていなかったものだけに絞り優先AEが備わっていたのには少々驚かされました。

但し、設定値の変更はやはりGUIでの変更となる為、頻繁に絞り値を変更するユーザーには扱い難いと感じましたし、加えて絞り値をオートに設定するとディスプレイに撮影時の露出値が表示されなくなってしまうのも不便だと感じました。

画像はF2.8に固定した状態でその設定値が表示され、この状態からレリーズ反押しで露出を算出させるとシャッタースピードが表示されますが、オートにしますとこの露出値が一切表示されなくなってしまいます。

というか、このクラスのモデルを使用するユーザーは絞り優先AEなんて使用するんですかね?

ファイル 379-9.jpg

最後に底面。底面を見て残念なのは三脚穴の位置がレンズの中央位置から外れていることです。

これはいつもカメラのレポをした時に当方が言い続けていることなのですが、最近の三脚の雲台に装備されるカメラ取り付けネジは前後左右の移動ができず固定位置が決められており、カメラの取り付け位置の調整ができず台座の中央にレンズを持って行くことができなくなってしまっています。

これですとアングル調整でカメラをパン移動させると微妙にズレが生じてしまい微調整がし難くなってしまう為、やはり三脚穴はレンズ中央のライン上に備わっている方が使い勝手が良いと当方は思います。

今回のこの個体は使用頻度が高く細かな傷が散見されます。底面の四隅には塗装剥げが見られ、市場では並品程度のランクになるかと思います。

またこの個体は起動時に何故かスピーカーから操作音などが発せられず無音状態。一度シャッターを切ってシャッター音を鳴らすとあとは正常に操作音が発せられるという摩訶不思議な問題を抱えた個体でありました。

ですが、撮影自体にはまったく問題はありませんでしたから、ジャンク箱に入れずに一応カメラバッグに収める予定でおります。

綺麗なジャンク機が出てくればニコイチで修復してもよいでしょうが、このカメラに関してはそこまでの思い入れや拘りはありませんから、このままの状態でよいと思っています。

まぁ、その綺麗なジャンク機というのが100円とか200円とかで手に入れられるのであれば、ニコイチ計画を考えてもよいと思います。

さて、当方あまり興味のないフジの正方CCDパネル機ではありますが、どのような写りをするのか一度試写してみたいですね。

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