最後に修理完了した“象印 電気まほうびん CV-PY22”を簡単にご紹介します。
ヤフオクにてデットストック新品購入。 但し、元箱や同梱品など一切無く、本体に擦れ傷が散見されましたので、未使用展示品だと思われます。 新品だと確信した理由は、湯釜に中古特有のシミが無く、また湯を沸かした時にお湯に新品時の独特な臭いがして数度沸かしたお湯を捨てる必要があった為です。
では、モデル名と発売時期、当時のメーカー小売価格を記載。
モデル名 : CV-PY22
発売日 : 2007年8月
メーカー小売価格 : 22,000円
機能に関しては以下。
平均保温電力12W(自動節約90℃保温時)
トリプルステンレスとツイン断熱層(高真空層+空気断熱層)で省エネを実現。
さらに節約「光省エネモード」「省エネモード」
暗くなれば約5分後に保温ヒーターがOFFになり、明るくなれば約5分後に元の湯温に湯沸しする「光省エネモード」と、明るい時間でも2時間操作をしないと保温ヒーターをOFFにする「省エネモード」の2種類の省エネモードを搭載。 (省エネモード選択時)省エネモードは、再沸とうボタンを押すと元の湯温に戻る為に湯沸しを行う。
節約タイマー5段階(6~10時間)
あらかじめ時間をセットしておけば保温電気代が掛からない。(※待機電力は掛かます)
プラグを外しても指1本で注げるコードレス電動給湯(別売アルカリ単3乾電池2本必要)
電動給湯なので軽いだけでなく、途切れず注ぐことが出来る。 コードレス時でも液晶を表示するので現在温度が分かる。(約5時間表示) スーパーVE構造だから沸とう後、コードレス状態で2時間後も90℃以上を維持。
気になる蒸気を約90%カットする「蒸気レス」モード
蒸気レスモードと通常沸騰と選択式なのでご家庭に合わせて使い分けができる。(※98℃保温選択の場合はモード設定できない) 蒸気レスモードは沸とう前(約95℃)に保温に切り替わり蒸気を抑える。 気になるカルキは湯沸し直後に約50%、15分後には約80%除去する。
文字がはっきり見える「くっきり液晶」
ゆっくり少量ずつ注ぐ「カフェドリップ給湯」
少量づつ注ぐことで簡易型レギュラーコーヒーをじっくり蒸らしながら抽出。 しかも通常の給湯に比べお湯が飛び散りにくくなるので、カップ麺などにもぴったり。
うまみ引き出す「煎茶80℃保温」
80℃の低温が、甘み、うまみ、渋み、色などをバランスよく引き出す。
ミルク作りや玉露にぴったり「60℃保温」
ぬるめのお湯が苦味を抑え、うまみを充分引き出す。(沸とう後、湯温が60℃になるまでの時間は約6時間40分(室温20℃ 1.0L))
と、こんな感じで、当時の最上位モデルで中堅機よりも僅かですが、このモデルにしかない機能が幾つかありました。
蒸気レス沸騰や数段階の保温温度設定、まほうびん保温や省エネタイマー機能等々、現在の象印製品と何ら変わらぬ機能を装備していますが、“スーパーVE構造”という内部保温構造に大きな違いがあります。 その開発秘話が象印のホームページに残されていますので、興味のある方はそちらを読んでみて下さい。
https://www.zojirushi.co.jp/corp/hiwa/01.html
この構造によって他のモデルよりも保温能力が高く保温時の省電力化に成功。 また、当方が購入したモデルは更に改良を加え、90℃保温設定時では消費電力12Wを実現しました。
このポットに貼り付けられたラベルにも消費電力化の謳い文句が記載されています。 加えて他のモデルには無い“光省エネモード”を搭載。 光センサーを設け、5ルクス以下になるとヒーターが自動的に切れて60℃で保温されるようになっています。
“省エネ・タイマー”ボタンの上に光センサーが確認できます。
保温温度が低ければ低いほどヒーターに必要な電力が少なくなりますから、自然と消費電力が低くなる仕組みになっています。 当然ながら部屋が明るくなって5ルクス以上になると自動再沸騰機能が働き、設定した温度に戻るようになっています。
これ、使い手の環境にもよりますが、非常に便利じゃないですか?!
当家ではお茶を予め作って水筒を使用して茶の間で飲んでますし、使うとしたら食事時にお湯を使うインスタント系のものぐらいで殆んど使いませんから、夜間など部屋の照明を落として勝手に省エネモードに移行してくれるのは非常に助かります。
それにキッチンって意外に薄暗い環境ではないですか?(採光や立地条件にもよりますが) 当家は北面に面していて薄暗い環境下である為、昼間でも光センサーによる省エネモードが働いてくれるので、態々タイマーを掛けて省エネ設定にする必要がありませんから、日中でも使う機会の少ない当家では非常に助かっています。
直ぐに使いたい場合でもキッチンの照明を点けて何かしら下準備している間に再沸騰が掛かって湯が沸いてくれますから、特に不便ということは感じないです。
あとは当時最上位モデルのみ搭載される機能のひとつであった電池による給湯機能が備わり、お湯を沸かした後、電源コードを外して他の場所に持ち出しても電池による給湯ができるようになっています。 以前、マンション住まいの時に同型の3.0Lのものを使用していましたが、リビングに持ち出して置いて移動せずに直ぐに暖かいお茶を飲めるのは意外に便利でありました。 前途の通りで、今は作ったお茶を水筒に入れて手元に置いてあるので、この機能を使う機会はなくなってしまっていますが、また利用して煎れたてのお茶を飲むのもよいかも知れませんね。
最後にデザインを少しだけ。 ごく普通のよくある電気ポットのデザインでありますが、給湯ボタンとロック解除ボタンの塗装がメタリック調になっているのと、上蓋の開閉レバーがメッキ処理されて中堅機とのクラス分けがされています。 デザインに変わりはなく、装飾で変化を付けているだけですから、まぁ、デザインにコストを掛けずに機能で差を付けてクラス分けしたという感じで設計されたようですね。
今回、新たに購入するにあたって以前に同型モデルを使用していた経緯から、その使い勝手がお気に入りだった為、時間が掛かっても(何せ古いモデルなもので)同機能を搭載するモデルを手に入れると固く決意していました。 特に“光省エネモード”を再び使いたかったので、今回運良くこの機能を載せたデットストック品が手に入れられてラッキーだったと思います。 現在、“光省エネモード”を搭載したモデルが存在しないだけに、“CV-PY22”の購入は余計に嬉しかったです。
2020.05.17 追記
そうそう、ひとつ忘れてました。
スーパーVE構造のお陰なんでしょうけど、前回使用していた“CV-DS30”やヒーター故障品であった“CV-DN22”よりも沸かす時のあの『ゴー』という音が“CV-PY22”の方が明らかに静かです。 勿論、キッチンに居れば沸かす音は聞こえますが、以前は隣の茶の間に居ても聞こえていた音が“CV-PY22”では気付かず沸いていたなんてことがあるくらい他のモデルとの差があります。 これだけでも「あっ、上位機種なんだなぁ」と感じます。
それとマンション住まいの時に使用していた同クラス前モデルの“CV-FZ30”よりも沸騰(通常沸騰時)の際に上蓋から出る蒸気の量も少ないです。 これは“CV-DS30”や“CV-DN22”でも同じでしたから、上蓋に関しては見た目は同じでも内部弁に改良が加えられているのかも知れませんね。
関連記事