USB簡易電圧・電流チェッカー“RouteR RTUSBVAC3QC”は計測結果を10個記憶できるから非常に便利。(まぁ、これがこのチェッカーを選んだ条件のひとつでしたからね)
その“RouteR RTUSBVAC3QC”を活用してセルの劣化具合を把握できるようにと、手に入れたモバイルバッテリーの蓄電量を測ってみました。
では、その計測した内容を簡単に掲載。
当方の基準値としてどこぞのブログに掲載されていた内容を基に基準値を定めました。
メーカー公称値から
- 90%以上 → 優良品
- 70%~80%台 → 良品
- 60%台 → 通常品
- 50%台 → 妥協点
- 50%以下 → 粗悪品
としています。
先ずは最初に購入した“Winten WT-P120P”。 購入時の過去記事は以下のURLからどうぞ。
http://h.keikun.info/~harubo/cgi-bin/diary/nikki.cgi?no=611&continue=on
カタログスペックは12000mAh。 10回ほど充放電を繰り返したあとでの計測になります。
完全放電したのちの満充電での蓄電量は10366mAhと公称値から86%の容量を確保しているので限りなく優良品に近い良品になります。
海外のモバイルバッテリーを検証しているサイトでは11562mAhと96%の数値を叩き出していたので期待していたのですが、当方の個体は90%に達していませんでした。 それでもこの数値ですから十分納得のできる性能でしょう。
実際、これ一台でスマホ2台(3000mAhと1800mAh)にタブレット1台(4200mAh)、Bluetoothのヘッドセット(容量確認できず)を充電できましたから、非常時に十分活躍してくれることと思います。
購入時の記事にも記しましたが、制御チップはSEIKO製ですから信頼性は非常に高いです。 制御チップを公開しているモバイルバッテリーは当方は他に見たことがないので、Wintenは余程このモバイルバッテリーに意気込みと自信があるのでしょうね。
次に“cheero Power Plus 3 mini CHE-071”。 充放電を3回ほど行ったあとでの計測になります。 購入時の記事は以下のURLからどうぞ。
http://h.keikun.info/~harubo/cgi-bin/diary/nikki.cgi?no=652&continue=on
性能面で満足の行かなかった“Winten WT-P56A”から買い足した同クラスのモバイルバッテリーで、内部セルはパナソニックになります。
カタログスペックは5200mAh。 完全放電からの蓄電量は4503mAhと公称値の86%の容量を確保していました。 こちらもほぼ90%に近い値ですから限りなく優良品に近い良品になります。
cheeroはモバイルバッテリーの中ではメジャーなメーカーですし、Amazonなどのレビューを読んでも高評価で90%を超えるのではないかと期待をしていたのですが、少々残念な結果でありました。
但し、上記の“WT-P120P”でもほぼ同じ性能ですから、パナソニックのセルは基準値を80%強と考えるのが妥当な線のようです。
最後に“Winten WT-P56A”。 型番から判るように容量は公称値5600mAhで、内部セルは中華製になります。 購入時の記事は以下のURLからどうぞ。
http://h.keikun.info/~harubo/cgi-bin/diary/nikki.cgi?no=636&continue=on
海外のテストサイトでは元箱がきちんと用意されていましたが、現在Amazonで売られている商品は元箱が無く緩衝材付きの封筒でそのまま送られてきますので、要はバルク品に当たる商品だと思われます。
購入時の記事を読んで頂ければ分かりますが、当方に送られてきた最初の個体は蓄電量が2600mAhとカタログスペックの半分以下と粗悪品であった為、初期不良で交換してもらいました。(バルク品と謳っていなかった為、販売店に直接問い合わせて返品交換扱いにしてもらいました)
交換後の2台目は充放電を5回ほど行ってから完全放電ののちに計測し、実容量3623mAhと公称値の64%の容量が確保されていました。 中華製セルを載せた他の安価なモバイルバッテリーと同等品になります。
海外のテストサイトにあった正規品は4306mAhと76%の蓄電量が確保されていましたから、実際の蓄電量の差からAmazonで売られているものはやはりバルク品だと思われます。
まぁ、1台目よりも蓄電量が多く妥協点を超えていますし、中華セル且つ安価な商品ですから、十分な性能ではないでしょうか。
但し、このモバイルバッテリーのUSB出力は1Aまでで、既に時代遅れ。 当方は急速充電に対応していない端末やアクセサリー類専用に使用しています。
総じてやはりパナソニックのセルを積んだモバイルバッテリーが好印象で、この辺りは技術的に数年先を行く日本のセルの方が遥かに高性能です。 アルカリ電池ひとつとっても海外の電池は日本の技術に追い付けないと、どこかで聞いた覚えがあります。
但し、先日購入の“Canon BP-511互換バッテリー”の件もありますから、値を含めたトータルバランスでは中華セルも侮れないところがあると思います。(まぁ、この分野ではまだまだ日本の独壇場だとは思いますが)
最後にこれは当方の経験値での話ですが、一般的にリチウムイオンバッテリーでは活性化は必要が無いとされており、購入時に一度完全放電させてから満充電させるだけでよいとされています。
これは各端末や機器にバッテリーの状態を記憶させる為(キャリブレーションですね)なのですが、実際当方が数回充放電を繰り返した結果では明らかに蓄電量が上がる傾向にあります。
長い期間バッテリーを使用しない場合でも同じように何回か充放電を繰り返すと機器の稼働時間が長くなることがあります。
よって、どのようなバッテリーであってもキャリブレーション目的なども含めて3回程度は充放電を行った方が良いように思います。
まぁ、この件に関しては個人的な意見ですから、参考程度に捉えて頂ければ思います。
えんひろ 2017.04.28(金) 14:18 修正
3回程度の充放電の話し非常に参考になります。m(_ _)m
レポートありがとうございました!