それではS200EXRのつづきです。
上部の線傷が残念。 よく見ないと判らない程の傷ですが、これが無ければ完璧な商品でした。
背面を見て驚くのがコスト削減によるビスの処理。 一応、黒塗装されたものではありますが、目隠しも無く丸見えな状態です。 アイカップのデザインもそつなくといった感じでしょうか。 これで当時のフラッグシップ機ですからね。 本当に驚きです。
背面の操作系は歴代のフジ機と同じ。 ですが、削除ボタンがAEロックボタンと兼用されるようになりました。
今までのフジのカメラは上下左右の方向ボタンとの兼用でしたから、一番最初に手にして操作に戸惑った部分がここでした。 廃止されていちいちメニュー画面から削除しなければならないのかと「面倒臭い仕様になってしまったなぁ」と勘違いしてしまいましたよ。
その反面、再生ボタンが電源スイッチと兼用だったものから専用のボタンが設けられたのには大歓迎。 撮影した画像の確認がしやすくなりました。
上部の操作部。
モードダイヤルやプリセットダイヤルなど歴代と変わらぬ仕様。 但し、モードダイヤルのデザイン変更で高級感が増してあるにも拘らず、スイッチ部も含めて剛性感が後退してしまっており、耐久面で不安感があります。
特にスイッチ部の剛性感が著しく後退しており、回転式のスライドスイッチの操作がし難くなってしまっていました。
加えてS9000/S9100で使用可能であったメカニカルレリーズの使用ができなくなり、電子式のリモートレリーズのみの対応になったのは非常に残念であります。
こちらは底面の様子。
毎度の話ですが、三脚穴がレンズセンターライン上にあるのは好印象。 この辺りはやはりフラッグシップ機できちんと考えられて作られています。
レンズの大きさは一眼レフの28-300mm程度の大きさでしょうか。 この大きさで400mmオーバーの画角をカバーできるのがネオ一眼の優れた部分だと思います。
ズームリングのエンボス加工がキヤノンのNewFDのようで個人的に好きな部分ですね。
まったく無傷の底面部分。
これまでの画像で判るように目立った傷は無く、殆んど使われていなかった個体のようです。
因みに落札価格は9,230円。 送料は756円で同一銀行間での振り込みでしたので手数料はなし。 このコンディションで元箱付きで1万円を切る価格での購入は破格の値段でした。
今現在、この値でこれほどの良いコンディションのものはなかなか手に入らないと思います。
当方的に非常に残念なのは、今まで単三電池仕様だったSシリーズがバッテリー仕様に変更されてしまったことです。
単三型仕様でも大抵は充電池を使うことが多く、仮にバッテリー切れを起こしても応急処置としてアルカリ電池などが使えて便利だったのですが、専用電池となったことで予備バッテリーの必要性もありますし、今後バッテリーの供給が終了してしまった際には入手が困難となる為、やはり今までと同じく単三電池仕様に拘って欲しかったです。
最後にストラップ。
標準のストラップが付属しておりましたが、ネオ一眼のストラップは細めのタイプ(幅3cm)で個人的に好みではありませんので、お決まりでありますがフジの一眼レフ用(S2 Pro用)のものを取り付けました。
当方の定番仕様でお気に入りのフジ機には必ずこのストラップを付けるようにしています。
金の刺繍でかっこいいんですよね。
最後に
S200EXRは上位機Sシリーズの後継機ではありますが、写りに関してはどちらかというと下位モデルであったS6000fdの進化版といった感じです。
S6000fdがコンデジスタイルのF30/F31fdのパネルを採用してS9000とは明確な画質の違いを表わしたのと同じく、S200EXRもコンデジスタイルのF200EXRのパネルを採用したのですから、それまでのSシリーズとは画調が違っているのは当然のように思えます。
今までのコントラストを抑えた落ち着いた画像のSシリーズとは違って高めのコントラストにヌケの良い画調は明らかに以前のSシリーズとは違っており、初代フラッグシップ機であった4900Zや6900Zに近い初期のハニカム機に似た画調に仕上げられています。
この画調が受け入れられるかどうかはユーザーの好みになりますが、少なくともF30/F31fdの実質的な後継機と言われたF200EXRのCCDパネルを載せているのですから、その画は良い方向へ進化したと云ってよいと思います。
それと前回のS9000時に述べたレンズの優位性に関してですが、コンデジスタイルのF200EXRよりもその違いが明らかに画に表れています。 F200EXRよりも解像感があり、粒子の細かさは明らかにS200EXRの方が高く画像四隅の解像度も良くなっています。 流石大型のレンズを搭載したモデルだと実感した部分でありました。
ハニカム構造の落ち着いた滑らかな画調に解像感とヌケを加味したその上品な画像は、将にハニカムCCDパネルの集大成と云ってよいカメラに仕上がっています。
それまでのハニカムCCD機に無かった解像感を大口径レンズの恩恵を受けて作られたその画調は、良い意味でシャープネスが増し、間違いなくS200EXRはハニカムCCDパネル搭載機の最高傑作だと感じました。
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