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京急土砂崩れによる脱線

2012.09.26 00:00

昨晩の大雨で京急田浦-追浜駅間で土砂崩れが発生。下り特急電車が崩れた土砂に乗り上げて脱線事故を起こした。

詳細は検索を掛ければ幾らでも引っ掛かるので省く。

先ずは大きな事故にもかかわらず怪我人のみで死亡者が無かったことは不幸中の幸いであることを告げておく。
続き
専門家の話では京急は旧国鉄で起きた脱線事故を教訓にモーターを積む重い駆動車を先頭車両に持って行ったことで土砂に乗り上げずに押し別けたために大きな脱線に繋がらなかったと話している。

これが他の鉄道会社と同じ駆動車が中間車両で先頭車両が通常の軽い客車であった場合は、土砂に乗り上げて脱線転覆して大きな事故になった可能性があったのではないかと話している。

車両撤去作業の様子の画像を見たが、当方素人の見識を述べると、土砂崩れの中に大きな岩や樹木が無かったこと。また土砂といっても多くの水分を含んでいたため泥と化していたことで列車を転覆させるほどの惨事にはならなかったとみている。

これは先頭車両の映像を見ればわかるが、車両の前面全体に広く泥を被っていることから土砂が柔らかい泥状になっていたことが見てわかる。

問題なのは大雨による土砂災害警戒情報が出ていながら速度規制になっていなかったこと。97年に隣の区間で同様の事故を起こしているにもかかわらず、速度規制区間に定められていなかった。また、総合司令所長も速度規制を指示していなかったことがわかり、今後大きな問題になる可能性がある。

97年の事故を受けてから山肌にコンクリートの吹き付け処理やネットを張った対策をしていたようだが、速度規制区間に指定されていなかったということは何かしらの意味があるのではないかと思う。

京浜急行は旧国鉄(現JR)との間で京浜地区より都心に向かう通勤旅客数を確保するため、速度争い・通勤時間の短縮競争をしていた。この競争に勝つためには駅と駅との区間時間を秒単位で削る必要がある。

また近年は都営地下鉄浅草線、京成電鉄の乗り入れに加え、北総鉄道北総線と相互乗り入れが始まり過密化したダイヤとなっているため、時間短縮が難しくなった故に過密化していない近郊地域での時間短縮が余儀なくされていたのではないかと思える。よって本来速度規制が必要な区間であっても故意に規制区間から外されていた可能性も考えられる。

以上のことから当方は2005年に起きたJR福知山線脱線事故を思い出してしまう。飛躍しすぎかもしれないが、業務に何かしらの思惑、また不備があったのではないか疑問視する可能性が出てきた。

先ずは運転手に業務上過失傷害容疑で任意での事情聴取が始まったので今後の動向が気になるところである。

何の因果か昨日『梅ちゃんの先生』の話しをしたばかりである。ドラマの舞台が蒲田であった為、京浜急行はタイアップしていた。