Java^TM Virtual Machine Debug Interface リファレンス

オブジェクト情報

オブジェクトのハッシュコード

jvmdiError
GetObjectHashCode(jobject object, jint *hashCodePtr)

パラメータ:

オブジェクト

照会するオブジェクト

hashCodePtr

戻ったとき、オブジェクトのハッシュコードをポイントする

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

JVMDI_ERROR_INVALID_OBJECT

object が無効

モニター情報の取得

typedef struct {
    jthread owner;
    jint entry_count;
    jint waiter_count;
    jthread *waiters;
} JVMDI_monitor_info;

jvmdiError
GetMonitorInfo(jobject object, JVMDI_monitor_info *infoPtr)

オブジェクトのモニターに関する情報を取得します。JVMDI_owned_monitor_info 構造体のフィールドに、モニターの詳細が入ります。 モニターの状態に影響を与える可能性のある各スレッドは、中断されているか、または現在のスレッドである必要があります。

この機能はオプションで、すべての仮想マシンに実装しなければならないわけではありません。 特定の仮想マシンでサポートされている機能について判別するには、GetCapabilities を使います。

パラメータ:

オブジェクト

照会するオブジェクト

infoPtr

戻ったとき、指定されたオブジェクトのモニター情報が入っている。 返されるオブジェクト (所有者、待機者の配列) はグローバル参照で、JNI 関数 DeleteGlobalRef を使って明示的に解放する必要がある。 返される待機者の配列のバッファは、Deallocate を使って解放する必要がある

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_INVALID_OBJECT

thread が無効

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

JVMDI_ERROR_THREAD_NOT_SUSPENDED

呼び出し前にスレッドが中断されている必要がある

JVMDI_ERROR_NOT_IMPLEMENTED

このオプション機能は、この VM に存在しない

フィールド情報

フィールドの名前とシグニチャー

jvmdiError
GetFieldName(jclass clazz, jfieldID field,
                   char **namePtr, char **signaturePtr)

パラメータ:

clazz

照会するクラス

field

照会するフィールド

namePtr

戻ったとき UTF-8 形式のフィールド名へのポインタを参照する。 この文字列は、Deallocate を使って解放する必要がある

signaturePtr

戻ったとき、UTF-8 形式のフィールドシグニチャーへのポインタを参照する。 この文字列は、Deallocate を使って解放する必要がある

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

JVMDI_ERROR_INVALID_FIELDID

field が無効

JVMDI_ERROR_INVALID_CLASS

clazz が無効

フィールドの宣言クラス

jvmdiError
GetFieldDeclaringClass(jclass clazz, jfieldID field, jclass *declaringClassPtr)

パラメータ:

clazz

照会するクラス

field

照会するフィールド

declaringClassPtr

戻ったとき、宣言しているクラスをポイントする。返されるクラスは、JNI グローバル参照で、JNI 関数 DeleteGlobalRef を使って明示的に解放する必要がある

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

JVMDI_ERROR_INVALID_FIELDID

field が無効

JVMDI_ERROR_INVALID_CLASS

clazz が無効

フィールドの修飾子フラグ

jvmdiError
GetFieldModifiers(jclass clazz, jfieldID field, jint *modifiersPtr)

パラメータ:

clazz

照会するクラス

field

照会するフィールド

modifiersPtr

戻ったとき、アクセスフラグをポイントする

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

JVMDI_ERROR_INVALID_FIELDID

無効な method

JVMDI_ERROR_INVALID_CLASS

clazz が無効

合成フィールドかどうかの検査

jvmdiError
IsFieldSynthetic(jclass clazz, jfieldID field, jboolean *isSyntheticPtr)

clazz および field で指定されたフィールドについて、それが合成フィールドであるかどうかを示す値を、isSyntheticPtr を介して返します。合成フィールドはコンパイラによって生成されますが、元のソースコード内には存在しません。

この機能はオプションで、すべての仮想マシンに実装しなければならないわけではありません。 特定の仮想マシンでサポートされている機能について判別するには、GetCapabilities を使います。

パラメータ:

clazz

照会するクラス

field

照会するフィールド

isSyntheticPtr

戻ったとき、この関数の boolean 型の結果をポイントする

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

JVMDI_ERROR_INVALID_FIELDID

field が無効

JVMDI_ERROR_INVALID_CLASS

clazz が無効

JVMDI_ERROR_NOT_IMPLEMENTED

このオプション機能は、この VM に存在しない

メソッド情報

メソッドの名前とシグニチャー

jvmdiError
GetMethodName(jclass clazz, jmethodID method,
                    char **namePtr, char **signaturePtr)

clazz と method で指定されたメソッドについて、名前を namePtr で返し、シグニチャーを signaturePtr で返します。 このシグニチャーは、JNI シグニチャーで、Java 仮想マシン仕様ではメソッド記述子とも呼ばれています。これは、Java 言語仕様で定義されているメソッドシグニチャーとは違うので、注意してください。

パラメータ:

clazz

照会するクラス

method

照会するメソッド

namePtr

戻ったとき、UTF-8 形式のメソッド名へのポインタを参照する。 この文字列は、Deallocate を使って解放する必要がある

signaturePtr

戻ったとき、UTF-8 形式のメソッドシグニチャーへのポインタを参照する。 この文字列は、Deallocate を使って解放する必要がある

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

JVMDI_ERROR_INVALID_METHODID

無効な method

JVMDI_ERROR_INVALID_CLASS

clazz が無効

メソッドの宣言クラス

jvmdiError
GetMethodDeclaringClass(jclass clazz, jmethodID method,
                                 jclass *declaringClassPtr)

パラメータ:

clazz

照会するクラス

method

照会するメソッド

declaringClassPtr

戻ったとき、宣言しているクラスをポイントする。返されるクラスは、JNI グローバル参照で、JNI 関数 DeleteGlobalRef を使って明示的に解放する必要がある

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

JVMDI_ERROR_INVALID_METHODID

無効な method

JVMDI_ERROR_INVALID_CLASS

clazz が無効

メソッドの修飾子フラグ

jvmdiError
GetMethodModifiers(jclass clazz, jmethodID method,
                         jint *modifiersPtr)

パラメータ:

clazz

照会するクラス

method

照会するメソッド

modifiersPtr

戻ったとき、アクセスフラグをポイントする

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

JVMDI_ERROR_INVALID_METHODID

無効な method

JVMDI_ERROR_INVALID_CLASS

clazz が無効

最大スタック

jvmdiError
GetMaxStack(jclass clazz, jmethodID method, jint *maxPtr)

パラメータ:

clazz

照会するクラス

method

照会するメソッド

maxPtr

戻ったとき、スタックの最大ワード数をポイントする

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

JVMDI_ERROR_INVALID_METHODID

無効な method

JVMDI_ERROR_INVALID_CLASS

clazz が無効

局所変数のスロット

jvmdiError
GetMaxLocals(jclass clazz, jmethodID method,
                  jint *maxPtr);

パラメータ:

clazz

照会するクラス

method

照会するメソッド

maxPtr

戻ったとき、局所変数のスロットの最大数をポイントする

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

JVMDI_ERROR_INVALID_METHODID

無効な method

JVMDI_ERROR_INVALID_CLASS

clazz が無効

引数のスロット

jvmdiError
GetArgumentsSize(jclass clazz, jmethodID method, jint *sizePtr)

パラメータ:

clazz

照会するクラス

method

照会するメソッド

sizePtr

戻ったとき、引数のスロットの数をポイントする

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

JVMDI_ERROR_INVALID_METHODID

無効な method

JVMDI_ERROR_INVALID_CLASS

clazz が無効

ソースの行番号

jvmdiError
GetLineNumberTable(jclass clazz, jmethodID method,
 			 jint *entryCountPtr,
             JVMDI_line_number_entry **tablePtr)

typedef struct {
    jlocation start_location;
    jint line_number;
} JVMDI_line_number_entry;

パラメータ:

clazz

照会するクラス

method

照会するメソッド

entryCountPtr

戻ったとき、テーブル内のエントリの数をポイントする

tablePtr

戻ったとき、行番号テーブルのポインタをポイントする。 JVMDI アロケータが、テーブルに領域を割り当てる。 このテーブルは、Deallocate() を使って解放する必要がある

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_NONE

エラーなし

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

JVMDI_ERROR_INVALID_METHODID

無効な method

JVMDI_ERROR_INVALID_CLASS

clazz が無効

JVMDI_ERROR_ABSENT_INFORMATION

クラスの情報に行番号が含まれていない

メソッドの配置位置

jvmdiError
GetMethodLocation(jclass clazz, jmethodID method,
                        jlocation *startLocationPtr,
                        jlocation *endLocationPtr)

パラメータ:

clazz

照会するクラス

method

照会するメソッド

startLocationPtr

戻ったとき、最初の位置をポイントする。位置情報が得られない場合は -1 をポイントする

endLocationPtr

戻ったとき、最後の位置をポイントする。位置情報が得られない場合は -1 をポイントする

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

JVMDI_ERROR_INVALID_METHODID

無効な method

JVMDI_ERROR_INVALID_CLASS

clazz が無効

JVMDI_ERROR_ABSENT_INFORMATION

クラス情報にメソッドのサイズが含まれていない

局所変数

jvmdiError
GetLocalVariableTable(jclass clazz, jmethodID method,
                            jint *entryCountPtr,
                            JVMDI_local_variable_entry **tablePtr)

typedef struct {
    jlocation start_location;   /* variable valid start_location */
    jint length;                /* up to start_location+length */
    char *name;                 /* name in UTF-8 */
    char *signature;            /* type signature in UTF-8 */
    jint slot;                  /* variable slot, see JVMDI_GetLocal*()  */
} JVMDI_local_variable_entry;

パラメータ:

clazz

照会するクラス

method

照会するメソッド

entryCountPtr

戻ったとき、テーブル内のエントリの数をポイントする

tablePtr

戻ったとき、局所変数テーブルのポインタをポイントする。 JVMDI アロケータが、テーブルに領域を割り当てる。 また、テーブル内のそれぞれの名前およびシグニチャー文字列も、JVMDI アロケータによって割り当てられる。 これらのバッファは、Deallocate を使って解放する必要がある

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

JVMDI_ERROR_INVALID_METHODID

無効な method

JVMDI_ERROR_INVALID_CLASS

clazz が無効

JVMDI_ERROR_ABSENT_INFORMATION

クラス情報に局所変数の情報が含まれていない

例外ハンドラ

jvmdiError
GetExceptionHandlerTable(jclass clazz, jmethodID method,
                               jint *entryCountPtr,
                               JVMDI_exception_handler_entry **tablePtr)

typedef struct {
    jlocation start_location;
    jlocation end_location;
    jlocation handler_location;
    jclass exception;           /* if null, all exceptions */
} JVMDI_exception_handler_entry;

この関数を呼び出すと、スローされる例外クラスのうち、まだロードされていないクラスのロードが行われることがあります。 スレッドの中断中に呼び出してはなりません。

パラメータ:

clazz

照会するクラス

method

照会するメソッド

entryCountPtr

戻ったとき、テーブル内のエントリの数をポイントする

tablePtr

戻ったとき、例外ハンドラテーブルのポインタをポイントする。 JVMDI アロケータが、テーブルに領域を割り当てる。 このテーブルは、Deallocate() を使って解放する必要がある JVMDI_exception_handler_entry の exception フィールドに返されるクラスは、グローバル参照で、JNI 関数 Deallocate を使って明示的に解放する必要がある

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

JVMDI_ERROR_INVALID_METHODID

無効な method

JVMDI_ERROR_INVALID_CLASS

clazz が無効

スローされる例外

jvmdiError
GetThrownExceptions(jclass clazz, jmethodID method,
                          jint *exceptionCountPtr, jclass **exceptionsPtr)

この関数を呼び出すと、スローされる例外クラスのうち、まだロードされていないクラスのロードが行われることがあります。 スレッドの中断中に呼び出してはなりません。

パラメータ:

clazz

照会するクラス

method

照会するメソッド

exceptionCountPtr

戻ったとき、スローされる例外の数をポイントする

exceptionsPtr

戻ったとき、スローされる例外への参照 (例外ごとに 1 つずつ) の配列をポイントする。 配列内の例外クラスは、JNI グローバル参照で、JNI 関数 DeleteGlobalRef を使って明示的に解放する必要がある。 返される例外の配列は、Deallocate を使って解放する必要がある

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

JVMDI_ERROR_INVALID_METHODID

無効な method

JVMDI_ERROR_INVALID_CLASS

無効な class

バイトコードの取得

jvmdiError
GetBytecodes(jclass clazz, jmethodID method, jint *bytecodeCountPtr,
                         jbyte **bytecodesPtr)

この機能はオプションで、すべての仮想マシンに実装しなければならないわけではありません。 特定の仮想マシンでサポートされている機能について判別するには、GetCapabilities を使います。

パラメータ:

clazz

照会するクラス

method

照会するメソッド

bytecodeCountPtr

戻ったとき、バイトコードの配列の長さをポイントする

bytecodesPtr

戻ったとき、バイトコード配列へのポインタをポイントする。JVMDI のメモリアロケータが、バイトコードの配列にメモリを割り当てる。 このテーブルは、Deallocate() を使って解放する必要がある

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

JVMDI_ERROR_INVALID_CLASS

clazz が無効

JVMDI_ERROR_INVALID_METHODID

無効な method

JVMDI_ERROR_NOT_IMPLEMENTED

このオプション機能は、この VM に存在しない

ネイティブメソッドかどうかの検査

jvmdiError
IsMethodNative(jclass clazz, jmethodID method, jboolean *isNativePtr)

clazz と method で指定されたメソッドがネイティブメソッドかどうかを表す値を、isNativePtr を介して返します。

パラメータ:

clazz

照会するクラス

method

照会するメソッド

isNativePtr

戻ったとき、この関数の boolean 型の結果をポイントする

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

JVMDI_ERROR_INVALID_METHODID

無効な method

JVMDI_ERROR_INVALID_CLASS

clazz が無効

合成メソッドかどうかの検査

jvmdiError
IsMethodSynthetic(jclass clazz, jmethodID method, jboolean *isSyntheticPtr)

clazz と method で指定されたメソッドについて、それが合成メソッドであるかどうかを示す値を、isSyntheticPtr を介して返します。 合成メソッドは、コンパイラによって生成されますが、元のソースコード内には存在しません。

この機能はオプションで、すべての仮想マシンに実装しなければならないわけではありません。 特定の仮想マシンでサポートされている機能について判別するには、GetCapabilities を使います。

パラメータ:

clazz

照会するクラス

method

照会するメソッド

isSyntheticPtr

戻ったとき、この関数の boolean 型の結果をポイントする

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

JVMDI_ERROR_INVALID_METHODID

無効な method

JVMDI_ERROR_INVALID_CLASS

clazz が無効

JVMDI_ERROR_NOT_IMPLEMENTED

このオプション機能は、この VM に存在しない

raw モニターのサポート

raw モニターの作成

jvmdiError
CreateRawMonitor(char *name, JVMDI_RawMonitor *monitorPtr)

パラメータ:

name

モニターを識別する UTF-8 形式の名前

monitorPtr

戻ったとき、作成されたモニターをポイントする

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

raw モニターの破棄

jvmdiError
DestroyRawMonitor(JVMDI_RawMonitor monitor)

パラメータ:

monitor

モニター

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

raw モニターの開始

jvmdiError
RawMonitorEnter(JVMDI_RawMonitor monitor)

パラメータ:

monitor

モニター

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_INVALID_MONITOR

無効なモニター

raw モニターの終了

jvmdiError
RawMonitorExit(JVMDI_RawMonitor monitor)

パラメータ:

monitor

モニター

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_INVALID_MONITOR

無効なモニター

raw モニターの待機

jvmdiError
RawMonitorWait(JVMDI_RawMonitor monitor, jlong millis)

パラメータ:

monitor

モニター

millis

タイムアウト (ミリ秒単位)

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_INVALID_MONITOR

無効なモニター

JVMDI_ERROR_NOT_MONITOR_OWNER

JVMDI_ERROR_INTERRUPT

raw モニターの通知

jvmdiError
RawMonitorNotify(JVMDI_RawMonitor monitor)

パラメータ:

monitor

モニター

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_INVALID_MONITOR

無効なモニター

JVMDI_ERROR_NOT_MONITOR_OWNER

raw モニターの通知 (すべて)

jvmdiError
RawMonitorNotifyAll(JVMDI_RawMonitor monitor)

パラメータ:

monitor

モニター

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_INVALID_MONITOR

無効なモニター

JVMDI_ERROR_NOT_MONITOR_OWNER

イベントフックの設定

typedef void (*JVMDI_EventHook)(JNIEnv *env , JVMDI_Event *event);

jvmdiError
SetEventHook(JVMDI_EventHook hook)

パラメータ:

hook

新しいイベントフック、または null (既存のフックを削除する場合)

この関数は、エラーの場合は汎用エラーを返します。

イベントの有効化と無効化

jvmdiError
SetEventNotificationMode(jint mode, jint eventType, jthread thread, ...)

イベントの有効化は、グローバルとスレッド単位でそれぞれ独立しています。 たとえば、MethodEntry が最初にグローバルでも各スレッドでも無効になっている場合、MethodEntry をグローバルで有効にしても、スレッド単位では無効のままです。 実行中のスレッドが潜在的なイベント条件に遭遇した場合、そのイベントがグローバルまたは実行中のスレッドで有効にされていると、そのイベントが送られます。 イベントのグローバルな有効化は、呼び出しの後に作成されるスレッドにも適用されます。

個々のイベントについての情報は、後述する説明を参照してください。

次のイベントは、この関数を使ってスレッドレベルでは制御 (有効化または無効化) できません。

• JVMDI_EVENT_VM_INIT
• JVMDI_EVENT_VM_DEATH
• JVMDI_EVENT_THREAD_START
• JVMDI_EVENT_CLASS_UNLOAD

次のイベントは、この関数を使ってグローバルレベルでは制御 (有効化または無効化) できません。

• JVMDI_EVENT_SINGLE_STEP

最初は、スレッドレベルで有効にされているイベントはありません。 次のイベント以外のイベントが、グローバルレベルで有効にされています。

• JVMDI_EVENT_SINGLE_STEP
• JVMDI_EVENT_EXCEPTION_CATCH
• JVMDI_EVENT_METHOD_ENTRY
• JVMDI_EVENT_METHOD_EXIT

パラメータ:

mode

JVMDI_ENABLE または JVMDI_DISABLE

eventType

制御するイベント

スレッド

制御するスレッド、または null (すべてのスレッドの場合)

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_INVALID_THREAD

thread が無効、または実行されていない場合

JVMDI_ERROR_INVALID_EVENT_TYPE

eventType が無効な値の場合

JVMDI_ERROR_ILLEGAL_ARGUMENT

thread 引数が、次のいずれかのイベントと一緒に指定されている場合

• JVMDI_EVENT_VM_INIT
• JVMDI_EVENT_VM_DEATH
• JVMDI_EVENT_THREAD_START
• JVMDI_EVENT_CLASS_UNLOAD

その他の関数

ロード済みクラスの取得

jvmdiError
GetLoadedClasses(jint *classCountPtr, jclass **classesPtr)

仮想マシンにロードされている全クラスの配列を返します。 配列内のクラスの数は classCountPtr によって返され、配列自体は classesPtr によって返されます。 配列は、Deallocate() を使って解放する必要があります。

返されるリストには、すべての型の配列クラス (プリミティブ型の配列を含む) が含まれます。 プリミティブクラス (たとえば、java.lang.Integer.TYPE) は、このリストには含まれません。

パラメータ:

classCountPtr

戻ったとき、クラスの数をポイントする

classesPtr

戻ったとき、各クラスへの参照 (クラスごとに 1 つずつ) の配列をポイントする。 配列内のクラスは、JNI グローバル参照で、JNI 関数 DeleteGlobalRef を使って明示的に解放する必要がある。 返されるクラス配列は、Deallocate を使って解放する必要がある

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

クラスローダクラスの取得

jvmdiError
GetClassLoaderClasses(jobject initiatingLoader, jint *classCountPtr, jclass **classesPtr)

このクラスローダが起動ローダとして記録されている、すべてのクラスの配列を返します。 返される配列内の各クラスは、このクラスローダによって直接定義されて作成されたものか、または別のクラスローダに委譲して作成されたものです。

JDK 1.1 の実装では、起動クラスローダと定義クラスローダの区別が認識されないため、この関数は、仮想マシンにロードされたすべてのクラスを返します。 配列内のクラスの数は classCountPtr によって返され、配列自体は classesPtr によって返されます。 配列は、Deallocate() を使って解放する必要があります。

initiatingLoader 引数は、null であってはなりません。 システムクラスローダにより起動されたクラスのセットは、そのローダにより定義されたクラスのセットと同一です。 このセットを判別するには、GetLoadedClasses を呼び出して、クラスローダが null のクラスを選び出します。

パラメータ:

initiatingLoader

起動クラスローダ

classCountPtr

戻ったとき、クラスの数をポイントする

classesPtr

戻ったとき、各クラスへの参照 (クラスごとに 1 つずつ) の配列をポイントする。 配列内のクラスは、JNI グローバル参照で、JNI 関数 DeleteGlobalRef を使って明示的に解放する必要がある。 返されるクラス配列は、Deallocate を使って解放する必要がある

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

クラスの再定義

typedef struct {
    jclass clazz;              /* Class to be redefined */
    jint class_byte_count;     /* number of bytes defining class (below) */
    jbyte *class_bytes;        /* bytes defining class */
                               /* (in Class File Format of JVM spec) */
} JVMDI_class_definition;

jvmdiError
RedefineClasses(jint classCount, JVMDI_class_definition *classDefs)

指定されたクラスはすべて、提供される定義に従って再定義されます。 再定義されたメソッドにアクティブなスタックフレームがあると、そのアクティブフレームは元のメソッドのバイトコードの実行を続行します。 再定義したメソッドは、新しい呼び出しで使用されます。 jmethodID を返す JVMDI の関数またはイベントは、再定義したメソッド (下記参照) と同等でない限り、元のメソッドを参照するときに OBSOLETE_METHOD_ID を返します。たとえば、元のメソッドがまだ実行しているスタックフレームを検査するときなどです。 元のメソッド ID は再定義されたメソッドを参照します。 JVMDI クライアントで OBSOLETE_METHOD_ID を扱う際には注意が必要です。 スタックフレームをリセットする場合は、OBSOLETE_METHOD_ID とともに PopFrame を使用し、フレームをポップしてください。

元のメソッドと再定義したメソッドが同等とみなされるのは、次のような場合です。

• 双方のメソッドのバイトコードが同じ （定数プールのインデックスを除く）
• 参照定数が等しい

この関数により、一般的な JVM セマンティクスのもとで行われる以外の初期化は起こりません。 つまり、クラスを再定義しても、そのクラスの初期化は実行されません。 既存のスタティック変数は、呼び出し前の状態のままです。 ただし、まったく初期化されていない (新しい) スタティック変数には、既定値が割り当てられます。

再定義したクラスにインスタンスがある場合、そのインスタンスのフィールドは呼び出し完了時に再定義したクラスで定義されます。 既存のフィールドは以前の値を保持します。 新しいフィールドは既定値となります。インスタンスイニシャライザやコンストラクタは実行しません。

スレッドを中断する必要はありません。

クラス内のブレークポイントは解除されます。

属性はすべて更新されます。

この関数は、JVMDI イベントを生成しません。

この機能はオプションで、すべての仮想マシンに実装しなければならないわけではありません。 特定の仮想マシンでこの機能がサポートされているかどうかを判定するには、GetCapabilities の can_redefine_classed、can_add_method および can_unrestrictedly_redefine_classes を調べてください。

パラメータ:

classCount

classDefs で指定されたクラスの数

classDefs

新しいクラス定義の配列数

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ classDefs または class_bytes の 1 つが null

JVMDI_ERROR_INVALID_CLASS

ClassDefs の要素が有効なクラスではない

JVMDI_ERROR_UNSUPPORTED_VERSION

新しいクラスファイルのバージョンがこの VM でサポートされていない

JVMDI_ERROR_INVALID_CLASS_FORMAT

新しいクラスファイルの形式が正しくない (VM がClassFormatError を返す)

JVMDI_ERROR_CIRCULAR_CLASS_DEFINITION

新しいクラスファイルの定義が循環定義になる (VM は ClassCircularityError を返す)

JVMDI_ERROR_FAILS_VERIFICATION

クラスバイトが検証に失敗する

JVMDI_ERROR_NAMES_DONT_MATCH

新しいクラスファイル内で定義されたクラス名が、旧クラスオブジェクト内の名前と異なる

JVMDI_ERROR_NOT_IMPLEMENTED

この機能は実装されていない (can_redefine_classes 機能が false)

JVMDI_ERROR_ADD_METHOD_NOT_IMPLEMENTED

新しいクラスファイルでメソッドの追加が必要になる (can_add_method 機能が false)

JVMDI_ERROR_SCHEMA_CHANGE_NOT_IMPLEMENTED

新しいクラスのバージョンによりフィールドが変更される (can_unrestrictedly_redefine_classes が false)

JVMDI_ERROR_HIERARCHY_CHANGE_NOT_IMPLEMENTED

新しいクラスのバージョンの直接スーパークラスが異なる、または直接実装されているインタフェースが異なる (can_unrestrictedly_redefine_classes が false)

JVMDI_ERROR_DELETE_METHOD_NOT_IMPLEMENTED

新しいクラスのバージョンでは旧クラスのバージョンで宣言したメソッドを宣言しない (can_unrestrictedly_redefine_classes が false)

JVMDI_ERROR_CLASS_MODIFIERS_CHANGE_NOT_IMPLEMENTED

クラスの新しいバージョンのクラス修飾子 (public、abstract、final など) が旧バージョンと異なる (can_unrestrictedly_redefine_classes が false)

JVMDI_ERROR_METHOD_MODIFIERS_CHANGE_NOT_IMPLEMENTED

クラスの新しいバージョンのメソッド修飾子 (public、abstract、final など) が旧バージョンと異なる (can_unrestrictedly_redefine_classes が false)

バージョン番号の取得

jvmdiError
GetVersionNumber(jint *versionPtr)

パラメータ:

versionPtr

戻ったとき、JVMDI のバージョンをポイントする

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

機能の取得

typedef struct {
    unsigned int can_watch_field_modification        : 1;
    unsigned int can_watch_field_access              : 1;
    unsigned int can_get_bytecodes                   : 1;
    unsigned int can_get_synthetic_attribute         : 1;
    unsigned int can_get_owned_monitor_info          : 1;
    unsigned int can_get_current_contended_monitor   : 1;
    unsigned int can_get_monitor_info                : 1;
    unsigned int reserved1                           : 1;
    unsigned int reserved2                           : 1;
    unsigned int reserved3                           : 1;
    unsigned int can_pop_frame                       : 1;
    unsigned int reserved4                           : 1;
    unsigned int can_redefine_classes                : 1; 
    unsigned int can_add_method                      : 1;
    unsigned int can_unrestrictedly_redefine_classes : 1;
    unsigned int reserved5                           : 1;
} JVMDI_capabilities;

jvmdiError
GetCapabilities(JVMDI_capabilities *capabilitiesPtr)

パラメータ:

capabilitiesPtr

戻ったとき、JVMDI の機能をポイントする

この関数は、汎用エラー、または次のエラーのどれかを返します。

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

JVMDI 関数はすべて、jvmdiError エラーコードを返します。

汎用エラー

JVMDI_ERROR_NONE

エラーは発生しなかった。 関数の実行が正常に終了したときに返されるエラーコード

JVMDI_ERROR_OUT_OF_MEMORY

関数でメモリの割り当てが必要になったが、これ以上割り当てられるメモリがなかった

JVMDI_ERROR_ACCESS_DENIED

この仮想マシンではデバッグが有効になっていない。 JVMDI が使用できない

JVMDI_ERROR_UNATTACHED_THREAD

この関数の呼び出しに使われているスレッドが、仮想マシンに接続されていない。 呼び出しは、接続されたスレッドから行う必要がある。 JNI 呼び出し API の AttachCurrentThread() を参照

JVMDI_ERROR_VM_DEAD

仮想マシンが動作していない

JVMDI_ERROR_INTERNAL

予期しない内部エラーが発生した

個々の関数に特有のエラー

JVMDI_ERROR_INVALID_THREAD

渡されたスレッドが有効でないか終了している

JVMDI_ERROR_INVALID_FIELDID

無効なフィールド

JVMDI_ERROR_INVALID_METHODID

無効なメソッド

JVMDI_ERROR_INVALID_LOCATION

無効な位置

JVMDI_ERROR_INVALID_FRAMEID

無効な jframeID

JVMDI_ERROR_NO_MORE_FRAMES

呼び出しスタックに Java または JNI フレームがなくなった

JVMDI_ERROR_OPAQUE_FRAME

フレームの情報が入手できない (たとえば、ネイティブフレームの場合)

JVMDI_ERROR_NOT_CURRENT_FRAME

操作は現在のフレームでしか実行できない

JVMDI_ERROR_TYPE_MISMATCH

変数の型が、使用される関数に対して適切でない

JVMDI_ERROR_INVALID_SLOT

無効なスロット

JVMDI_ERROR_DUPLICATE

すでに設定された項目

JVMDI_ERROR_THREAD_NOT_SUSPENDED

スレッドが中断されていない

JVMDI_ERROR_THREAD_SUSPENDED

スレッドがすでに中断されている

JVMDI_ERROR_INVALID_OBJECT

無効なオブジェクト

JVMDI_ERROR_INVALID_CLASS

無効なクラス

JVMDI_ERROR_CLASS_NOT_PREPARED

クラスがロードされているが、まだ準備されていない

JVMDI_ERROR_NULL_POINTER

無効なポインタ

JVMDI_ERROR_ABSENT_INFORMATION

要求された情報が入手できない

JVMDI_ERROR_INVALID_EVENT_TYPE

指定されたイベント型の ID が認識されない

JVMDI_ERROR_NOT_IMPLEMENTED

この機能は、この仮想マシンには実装されていない

JVMDI_ERROR_INVALID_THREAD_GROUP

スレッドグループが無効

JVMDI_ERROR_INVALID_PRIORITY

無効な優先順位

JVMDI_ERROR_NOT_FOUND

目的の要素 (フィールドやブレークポイントなど) が見つからない

JVMDI_ERROR_INVALID_MONITOR

無効なモニター

JVMDI_ERROR_ILLEGAL_ARGUMENT

不正な引数

JVMDI_ERROR_NOT_MONITOR_OWNER

このスレッドはモニターを所有していない

JVMDI_ERROR_ABSENT_INFORMATION

目的の情報を入手できない

JVMDI_ERROR_INTERRUPT

呼び出しの完了前に割り込まれた

JVMDI_ERROR_INVALID_TYPESTATE

スレッドの状態が変更されたため、不整合が生じている

JVMDI_ERROR_UNSUPPORTED_VERSION

新しいクラスファイルのバージョンがこの VM でサポートされていない

JVMDI_ERROR_INVALID_CLASS_FORMAT

新しいクラスファイルの形式が正しくない (VM がClassFormatError を返す)

JVMDI_ERROR_CIRCULAR_CLASS_DEFINITION

新しいクラスファイルの定義が循環定義になる (VM は ClassCircularityError を返す)

JVMDI_ERROR_ADD_METHOD_NOT_IMPLEMENTED

新しいクラスファイルでメソッドの追加が必要になり、can_add_method 機能が false

JVMDI_ERROR_SCHEMA_CHANGE_NOT_IMPLEMENTED

新しいクラスファイルではスキーマの変更が必要になり、can_unrestrictedly_redefine_classes が false

JVMDI_ERROR_FAILS_VERIFICATION

クラスバイトが検証に失敗する

JVMDI_ERROR_HIERARCHY_CHANGE_NOT_IMPLEMENTED

新しいクラスのバージョンの直接スーパークラスが異なる、または直接実装されているインタフェースが異なり、can_unrestrictedly_redefine_classes が false

JVMDI_ERROR_DELETE_METHOD_NOT_IMPLEMENTED

新しいクラスのバージョンでは、旧クラスのバージョンで宣言したメソッドを宣言せず、また can_unrestrictedly_redefine_classes が false

JVMDI_ERROR_NAMES_DONT_MATCH

新しいクラスファイル内で定義されたクラス名が、旧クラスオブジェクト内の名前と異なる

JVMDI_ERROR_CLASS_MODIFIERS_CHANGE_NOT_IMPLEMENTED

クラスの新しいバージョンのクラス修飾子 (public、abstract、final など) が旧バージョンと異なる (can_unrestrictedly_redefine_classes が false)

JVMDI_ERROR_METHOD_MODIFIERS_CHANGE_NOT_IMPLEMENTED

クラスの新しいバージョンのメソッド修飾子 (public、abstract、final など) が旧バージョンと異なる (can_unrestrictedly_redefine_classes が false)

• はじめに
• ステップ実行イベント
  • JVMDI_EVENT_SINGLE_STEP
• ブレークポイントイベント
  • JVMDI_EVENT_BREAKPOINT
• フィールドイベント
  • JVMDI_EVENT_FIELD_ACCESS
  • JVMDI_EVENT_FIELD_MODIFICATION
• フレームイベント
  • JVMDI_EVENT_FRAME_POP
  • JVMDI_EVENT_METHOD_ENTRY
  • JVMDI_EVENT_METHOD_EXIT
• 例外イベント
  • JVMDI_EVENT_EXCEPTION
• 例外キャッチイベント
  • JVMDI_EVENT_EXCEPTION_CATCH
• ユーザ定義イベント
  • JVMDI_EVENT_USER_DEFINED
• スレッドイベント
  • JVMDI_EVENT_THREAD_END
  • JVMDI_EVENT_THREAD_START
• クラスイベント
  • JVMDI_EVENT_CLASS_LOAD
  • JVMDI_EVENT_CLASS_UNLOAD
  • JVMDI_EVENT_CLASS_PREPARE
• VM 初期化イベント
  • JVMDI_EVENT_VM_INIT
• VM 終了イベント
  • JVMDI_EVENT_VM_DEATH

イベントを処理するには、SetEventHook を使ってフック関数を指定します。 各イベントに対して、イベント型とその他の情報 (一部のイベントの場合) を記述した JVMDI_Event 引数を指定して、そのフック関数が呼び出されます。 フック関数は、通常、アプリケーションスレッド内から呼び出されます。JVMDI 実装は、どんな形でもイベントをキューに入れません。 これは、イベントのフック関数を注意深く記述する必要があることを意味しています。 このあと、一般的なガイドラインを説明します。 さらに詳しい提案については、個々のイベントの説明を参照してください。

• イベントフック関数の実行中にスローされた例外は、現在のアプリケーションスレッド内で現在保留中の例外を上書きできてしまう。 したがって、例外を生成する可能性のある JNI 呼び出しをイベントフック関数から実行する場合は、保留中の例外を保存するように気を付けなければならない
• イベントフック関数は、再入可能でなければならない。 JVMDI 実装は、イベントをキューに入れない。 JVMDI クライアントが複数のイベントを一度に 1 つずつ処理する必要がある場合は、イベントフック関数の内部で raw モニターを使うと、イベントの処理を直列化できる

JVMDI イベントの中には、JNI 参照を使ってオブジェクトを識別するものがあります。 そのような参照はすべて、JVMDI_Event 引数を介してイベントフック関数に渡されます。 JVMDI イベント内のすべての参照は、JNI ローカル参照で、イベントフック関数から復帰すると無効になります。 JVMDI_Event データ構造体は、ローカルに割り当てられ、イベントフック関数から復帰すると解放されます。

イベントは、関数 SetEventNotificationMode を使って有効および無効にできます。 アプリケーションの起動時に有効にされているイベントと、そうでないイベントがあります。 この関数の詳細は、ドキュメントを参照してください。

イベントを生成するスレッドの実行状態は変化しません スレッドを中断させる必要のあるイベントの場合は、イベントフック関数の中で SuspendThread を使って明示的にスレッドを中断させなければなりません。

JVMDI_Event には、イベントの種類と、さらに多くの情報を含むイベント固有の構造体の共用体が含まれます。

typedef struct {
    jint kind;		/* the discriminant */

    union {
	/* kind = JVMDI_EVENT_SINGLE_STEP */
        JVMDI_single_step_event_data single_step;
			
        /* kind = JVMDI_EVENT_BREAKPOINT */
        JVMDI_breakpoint_event_data breakpoint;

        /* kind = JVMDI_EVENT_FRAME_POP */
        /* kind = JVMDI_EVENT_METHOD_ENTRY */
        /* kind = JVMDI_EVENT_METHOD_EXIT */
        JVMDI_frame_event_data frame;

        /* kind = JVMDI_EVENT_FIELD_ACCESS */
        JVMDI_field_access_event_data field_access;

        /* kind = JVMDI_EVENT_FIELD_MODIFICATION */
        JVMDI_field_modification_event_data field_modification;

        /* kind = JVMDI_EVENT_EXCEPTION */
        JVMDI_exception_event_data exception;

        /* kind = JVMDI_EVENT_EXCEPTION_CATCH */
        JVMDI_exception_catch_event_data exception_catch;

        /* kind = JVMDI_EVENT_USER_DEFINED */
        JVMDI_user_event_data user;
			
        /* kind = JVMDI_EVENT_THREAD_END or */
        /* JVMDI_EVENT_THREAD_START */
        JVMDI_thread_change_event_data thread_change;
			
        /* kind = JVMDI_EVENT_CLASS_LOAD, */
        /* JVMDI_EVENT_CLASS_UNLOAD, or */
        /* JVMDI_EVENT_CLASS_PREPARE */
        JVMDI_class_event_data class_event;
			
        /* kind = JVMDI_EVENT_VM_DEATH, JVMDI_EVENT_VM_INIT */
        /* no additional fields */		
    } u;
} JVMDI_Event;

個々のイベントの詳細について、このあと説明します。

ステップ実行イベント (JVMDI_EVENT_SINGLE_STEP)

    typedef struct {
        jthread thread;
        jclass clazz;
        jmethodID method;
        jlocation location;
    } JVMDI_single_step_event_data;

ステップ実行イベントを利用すると、JVMDI クライアントは、VM で可能な最小の単位でスレッドの実行を追跡できます。 ステップ実行イベントは、スレッドが新しい位置に達するたびに生成されます。 通常、ステップ実行イベントは、仮想マシンの仕様に定義されている VM の命令の 1 つが完了したことを表します。しかし、実装によっては、位置の定義方法が異なる場合があります。 いずれにしても、イベント構造体の clazz、method、および location フィールドによって現在の位置を一意に識別できるため、この情報があればソースファイルと行番号へのマッピングが可能です。

ネイティブメソッド内からは、ステップ実行イベントは生成されません。

ステップ実行イベントは、デフォルトでは無効になっています。SetEventNotificationMode を呼び出すことにより、スレッドに対して有効にできます。

ブレークポイントイベント (JVMDI_EVENT_BREAKPOINT)

    typedef struct {
        jthread thread;
        jclass clazz;
        jmethodID method;
        jlocation location;
    } JVMDI_breakpoint_event_data;

ブレークポイントイベントは、SetBreakpoint を使ってブレークポイントとして指定された位置にスレッドが達した時点で生成されます。 イベント構造体の clazz、method、および location フィールドによって現在の位置を一意に識別できるため、この情報があればソースファイルと行番号へのマッピングが可能です。

ブレークポイントのレポートは、通常は SetEventNotificationMode の呼び出しによって有効または無効にできます。デフォルトでは、有効になっています。 無効になっている場合、設定されているブレークポイントは無視されます。

フィールドイベント (JVMDI_EVENT_FIELD_ACCESS、JVMDI_EVENT_FIELD_MODIFICATION)

    /* kind = JVMDI_EVENT_FIELD_ACCESS */
    typedef struct {
        jthread thread;
        jclass clazz;
        jmethodID method;
        jlocation location;
        jclass field_clazz;
        jobject object;
        jfieldID field;
    } JVMDI_field_access_event_data;

    /* kind = JVMDI_EVENT_FIELD_MODIFICATION */
    typedef struct {
        jthread thread;
        jclass clazz;
        jmethodID method;
        jlocation location;
        jclass field_clazz;
        jobject object;
        jfieldID field;
        char signature_type;
        jvalue new_value;
    } JVMDI_field_modification_event_data;

フィールドイベントは、SetFieldAccessWatch または SetFieldModificationWatch を使ってウォッチポイントとして指定されたフィールドを、スレッドがアクセスまたは変更した時点で生成されます。 イベント構造体の clazz、method、および location フィールドは現在の位置を一意に識別するため、この情報があればソースファイルと行番号へのマッピングが可能です。 field_clazz および field フィールドは、アクセスまたは変更されるフィールドを一意に識別します。 object は、フィールドがインスタンスフィールドである場合に、そのフィールドを含んでいるオブジェクトを識別します。 そうでない場合は、null です。

フィールドウォッチポイントのレポートは、通常、SetEventNotificationMode の呼び出しによって有効または無効にできます。デフォルトでは、有効になっています。 無効になっている場合、設定されているウォッチポイントは無視されます。

フレームイベント (JVMDI_EVENT_FRAME_POP、JVMDI_EVENT_METHOD_ENTRY、JVMDI_EVENT_METHOD_EXIT)

    typedef struct {
        jthread thread;
        jclass clazz;
        jmethodID method;
        jframeID frame;
    } JVMDI_frame_event_data;

メソッドエントリイベントは、Java プログラミング言語メソッドまたはネイティブメソッドに入る時点で生成されます。 メソッド終了イベントは、Java プログラミング言語メソッドまたはネイティブメソッドから出る時点で生成されます。 フレームポップイベントは、NotifyFramePop の呼び出しで指定された単一のフレーム内の単一のメソッドから出る時点で生成されます 呼び出し側に例外をスローしてメソッドが終了する場合は、メソッド終了イベントもフレームポップイベントも生成されません。 JVMDI クライアントは、そのような事態の発生を、例外キャッチイベントを監視することによって確認できます。

clazz および method フィールドは、入るメソッドまたは出るメソッドを一意に識別します。 frame フィールドは、メソッドのスタックフレームへのアクセスを提供します。 メソッドに入る時点で、GetFrameLocation によりレポートされる位置は、メソッド内の初期実行可能ファイルの位置を識別します。 メソッドを出る時点、またはフレームポップの時点で、GetFrameLocation によりレポートされる位置は、復帰しようとしているメソッド内の復帰直前の実行可能位置を識別します。

メソッドエントリおよびメソッド終了イベントは、デフォルトでは無効になっており、SetEventNotificationMode を呼び出すことによって有効にできます。 フレームポップイベントは、デフォルトでは有効になっており、同様の呼び出しで無効にできます。

例外イベント (JVMDI_EVENT_EXCEPTION)

    typedef struct {
        jthread thread;
        jclass clazz;
        jmethodID method;
        jlocation location;
        jobject exception;
        jclass catch_clazz;
        jmethodID catch_method;
        jlocation catch_location;
    } JVMDI_exception_event_data;

例外イベントは、Java プログラミング言語メソッド内で例外が最初に検出された時点で生成されます。 例外は、Java プログラミング言語メソッドによってスローされる場合と、ネイティブメソッドによってスローされる場合があります。ネイティブメソッドによってスローされる場合は、その例外が Java プログラミング言語メソッドによって最初に認識されるまで、このイベントは生成されません。 例外がネイティブメソッド内で生成されて解除された場合 (つまり、Java プログラミング言語コードからは認識されない場合) は、例外イベントは生成されません。

イベント構造体の clazz、method、および location フィールドにより、例外が検出された現在位置を一意に識別できるため、この情報があればソースファイルと行番号へのマッピングが可能です。 exception フィールドは、スローされた例外オブジェクトを認識します。 catch_clazz、catch_method、および catch_location は、スローされた例外を処理する catch 節の位置を識別します (そのような節が存在する場合)。 そのような catch 節がない場合、それらの各フィールドは 0 に設定されます。スレッドがこの catch 節に到達するという保証はありません。 呼び出しスタック上で例外スローの位置と catch 節の間にネイティブメソッドがある場合、それらのネイティブメソッドのどれかによって例外がリセットされる可能性があるからです。 JVMDI クライアントは、そのような事態の発生を、例外キャッチイベントを監視することによって確認できます。

例外イベントはデフォルトでは有効になっており、SetEventNotificationMode を呼び出すことによって無効にできます。

例外キャッチイベント (JVMDI_EVENT_EXCEPTION_CATCH)

    typedef struct {
        jthread thread;
        jclass clazz;
        jmethodID method;
        jlocation location;
        jobject exception;
    } JVMDI_exception_catch_event_data;

例外キャッチイベントは、スローされた例外がキャッチされた時点で生成されます。 例外が Java プログラミング言語メソッド内でキャッチされた場合は、catch 節に到達した時点でこのイベントが生成されます。 例外がネイティブメソッド内でキャッチされた場合は、Java プログラミング言語メソッドに制御が戻った直後にこのイベントが生成されます。 例外キャッチイベントは、Java プログラミング言語メソッド内でスローが検出された例外に対して生成されます。

イベント構造体の clazz、method、および location フィールドによって現在の位置を一意に識別できるため、この情報があればソースファイルと行番号へのマッピングが可能です。 Java プログラミング言語メソッド内でキャッチされた例外の場合は、exception オブジェクトが例外オブジェクトを識別します。 ネイティブメソッド内でキャッチされた例外は、例外のキャッチがレポートされた時点で入手可能とは限らないので、exception フィールドは null に設定されます。

例外キャッチイベントは、デフォルトでは無効になっており、SetEventNotificationMode を呼び出すことによって有効にできます。

ユーザ定義イベント (JVMDI_EVENT_USER_DEFINED)

    typedef struct {
        jobject object;
        jint key;
    } JVMDI_user_event_data;

ユーザイベントのデータ構造体にあるユーザ定義イベントおよびフィールドの意味は、JVMDI の個々の実装によって定義されます。

スレッドイベント (JVMDI_EVENT_THREAD_END、JVMDI_EVENT_THREAD_START)

    typedef struct {
        jthread thread;
    } JVMDI_thread_change_event_data;

スレッド開始イベントは、新しいスレッドによって、スレッドの初期メソッドが実行される前に、生成されます。 スレッド終了イベントは、停止しようとしているスレッドによって、スレッドの初期メソッドの実行完了後に、生成されます。 スレッド開始イベントが生成される前、およびスレッド終了イベントが生成されたあとに、GetAllThreads によって返される配列に、そのスレッドが含まれている可能性があります。 また、スレッド開始イベントの前に、そのスレッドについて他のイベントが生成される可能性があります。しかし、スレッド終了イベントの後に、そのスレッドについて他のイベントが生成されることはありません。

スレッドイベントは、デフォルトでは有効になっており、SetEventNotificationMode を呼び出すことによって無効にできます。

クラスイベント (JVMDI_EVENT_CLASS_LOAD、JVMDI_EVENT_CLASS_UNLOAD、JVMDI_EVENT_CLASS_PREPARE)

    typedef struct {
        jthread thread;
        jclass clazz;
    } JVMDI_class_event_data;

クラスイベントは、特定のクラスのステータスが変化したことを示します。

クラスロードイベントは、クラスが最初にロードされた時点で生成されます。 特定のスレッドによりクラスロードイベントが生成される順序は、そのスレッド内でクラスがロードされる順序と一致することが保証されています。 非プリミティブ型の配列には、クラスロードイベントがあります。 プリミティブ型の配列には、クラスロードイベントがありません (VM の初期化の時点でロードされたと見なされる)。 プリミティブクラス (たとえば、java.lang.Integer.TYPE) には、クラスロードイベントがありません。

クラス準備イベントは、クラスの準備が完了した時点で生成されます。 この時点では、クラスのフィールド、メソッド、および実装されたインタフェースが利用可能ですが、クラスのコードはまだ何も実行されていません。 配列クラスは、フィールドやメソッドを持つことがないため、配列クラスについてクラス準備イベントが生成されることはありません。 プリミティブクラス (たとえば、java.lang.Integer.TYPE) についても、クラス準備イベントは生成されません。

クラスアンロードイベントは、クラスがアンロードされる直前に生成されます。 クラスアンロードイベントはガベージコレクション中に発生するため、特に慎重に処理しなければなりません。 ガベージコレクタが多くのロックを保持し、ほかのスレッドをすべて中断しているので、イベントハンドラはロックを獲得する機能を使えないかもしれません。 クラスアンロードのイベントハンドラでは、あとで処理するべき情報をキューに入れるなどして、処理をできるだけ行わないようにする必要があります。

クラスイベントは、デフォルトでは有効になっており、SetEventNotificationMode を呼び出すことによって無効にできます。

VM 初期化イベント (JVMDI_EVENT_VM_INIT)

VM 初期化イベントは、VM の初期化の完了を示します。 このイベントが生成されたあとは、JVMDI クライアントは任意の JNI または JVMDI 関数を自由に呼び出すことができます。 VM 初期化イベントは、その前に他のイベントが生成されたり、他のイベントと同時に生成されたりすることがあります。そのうち、VM 初期化イベントの前の生成されるイベントについては、VM の初期化がまだ完了していないので、特に注意して処理する必要があります。 メインアプリケーションスレッドのスレッド開始イベントは、VM 初期化イベントのハンドラが復帰するまでは発生しないことが保証されています。

VM 終了イベント (JVMDI_EVENT_VM_DEATH)

現在位置がメソッドのエントリポイントである場合は、同一スレッド内の現在位置で発生した他のすべてのイベントより前に、JVMDI_EVENT_METHOD_ENTRY イベントがレポートされます。

現在位置で例外のキャッチが検出された場合 (catch 節の先頭の場合か、未処理の例外を解除したネイティブメソッドが復帰した位置の場合) は、同一スレッド内の現在位置で発生した他のすべてのイベントより前に、JVMDI_EVENT_EXCEPTION_CATCH イベントがレポートされます。

JVMDI_EVENT_SINGLE_STEP イベントまたは JVMDI_EVENT_BREAKPOINT イベントが現在位置でトリガされる場合、そのイベントは、現在位置のコードが実行される直前に発生するものと定義されています。 これらのイベントは、同一スレッド内の現在位置にあるコードの実行によりトリガされるどのイベント (特に、JVMDI_EVENT_EXCEPTION、JVMDI_EVENT_FIELD_ACCESS、および JVMDI_EVENT_FIELD_MODIFICATION) よりも前にレポートされます。 ステップイベントとブレークポイントイベントの両方が同一のスレッドおよび場所でトリガされた場合は、ステップイベントがブレークポイントイベントより前にレポートされます。

現在位置がメソッドの終了ポイント (つまり、呼び出し側に復帰する前の最後の位置) である場合、 JVMDI_EVENT_METHOD_EXIT イベントおよび JVMDI_EVENT_FRAME_POP イベント (要求されている場合) は、同一スレッド内の現在位置で発生する他のすべてのイベントのあとにレポートされます。 これら 2 つのイベントについては、レポートされる順序は特に指定されていません。

同じ位置で発生するイベントは、同じスレッド内の同じ位置での JVMDI クライアントによる処理中にトリガされることがあります。 その種のイベント (タイプ y) が、タイプ x のイベントの処理中にトリガされたとしましょう。前述の説明にある順序によると x は y より前にレポートされるという場合は、同じ位置で発生したイベント y が、現在のスレッドおよび位置についてレポートされます。 逆に、x が y より前にレポートされないという場合は、イベント y は、現在のスレッドおよび位置についてレポートされません。 たとえば、JVMDI_EVENT_SINGLE_STEP の処理中に現在位置にブレークポイントが設定された場合は、スレッドが現在位置を離れる前に、そのブレークポイントがレポートされます。

以下のイベントは、他のイベントと同じ位置で発生したと見なされることがありません。

• JVMDI_EVENT_USER_DEFINED
• JVMDI_EVENT_VM_INIT
• JVMDI_EVENT_VM_DEATH
• JVMDI_EVENT_THREAD_START
• JVMDI_EVENT_THREAD_END
• JVMDI_EVENT_CLASS_LOAD
• JVMDI_EVENT_CLASS_UNLOAD
• JVMDI_EVENT_CLASS_PREPARE

VM の起動時に JVMDI クライアントを初期ロードする方法は、VM によって異なります。 以下の説明は、Windows 版および Solaris 版 Sun J2SE SDK 1.2 の旧来の VM に適用されます。

JVMDI クライアントを適切にロードして実行するには、VM の起動時に次のコマンド行引数が必要です。

-Xdebug

デバッグを有効にする

-Xnoagent

デフォルトのデバッグエージェント (jdb で使われる) を実行しないようにする

-Djava.compiler=NONE

JIT を無効にする。 Classic VM は、JIT が有効な状態でのデバッグをサポートしていない

-Xrun:

JVMDI クライアントを含むライブラリと、起動時に渡されるオプションの文字列を指定する。 ライブラリは、次のプロトタイプを持つ起動関数をエクスポートしている必要がある

JNIEXPORT jint JNICALL
JVM_OnLoad(JavaVM *vm, char *options, void *reserved)

この関数は、起動時に VM によって呼び出される。 たとえば、オプション -Xrunfoo:opt1,opt2 が指定された場合、VM は、Windows では共用ライブラリ foo.dll を、Solaris では共用ライブラリ libfoo.so をロードしようとする。 次に、VM は、JVM_OnLoad を探し、「opt1,opt2」を第 2 引数に指定して呼び出そうとする。 この呼び出しの時点で VM はまだ初期化されていないので、JVM_OnLoad 内で安全に実行できる処理はごく限られている。 VM が安全に実行できるのは、オプションの処理や、SetEventHook を使ってイベントフックを設定する処理である。 VM 初期化イベントについてイベントフックが呼び出されたあと、JVMDI クライアントは、自身の初期化を完了することができる

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